偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

おお女戦士よ、呪われてしまうとはなさけない!(CV:世見たづね)

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同人サークルストロベリィシュシュ発、剣と魔法のファンタジー世界が舞台で、勇者の仲間にして妻である女戦士が武具屋の男に寝取られるDL音声。

 

ヒロインは一緒にパーティを組む仲間の勇者と結婚したばかりだけど、今でも夫と共に危険な任務に赴く現役戦士。勇者との能力差が気になるヒロインは、いい装備を求めて行きつけの装具屋へ。店主はヘリオというヒロインよりひとまわり年上の男で、勇者との結婚をねちっこい口調で祝います。ヒロインを幼い頃から知っていて、冒険者として駆け出しの頃から顔見知りなのでした。とは言えヒロインはヘリオをあまり良く思っていないようで、多弁な武具屋に苛立ち気味。魔物討伐で行く予定の洞窟の話をヒロインがすると、危険な場所で新妻を戦わせるなんてと批判的な口調のヘリオ。ヒロインの勇者の話にも興味なさげで、得意先相手に退屈なのを隠していません。

 

勇者とのステータス差が気になるからアイテムで強化したいと言うヒロインに、ヘリオは獲得経験値が5倍になるという首輪を見せます。ヒロインが首輪を身に着けると急に顔が赤くなり汗ばんだり、落ち着かない様子に。ヘリオは間違えて呪われた首輪を渡してしまった、これは身に着けた者の性欲が大幅にアップし、100回絶頂しないと外れないとかとんでもないことを言い出したぞ。新婚ながら夫の勇者は堅物で潔癖症のため協力してくれないでしょとヘリオは指摘、ここで私が100回あなたをいかせてあげる、と口車に乗せられ地下室へ行くことに。

 

事に及ぶ前にヒロインに勇者との性生活を聞き出すヘリオ、そこを聞くか。聞くと結婚して一ヶ月、セックスは二週間に一度と新婚なのに早くもレスのような。ヒロイン、ヘリオに触られた反応で一人で慰めていることを見破られてしまうの屈辱では。本来呪いの首輪は性欲を数倍に高める程度のものらしく、ヒロイン自身の欲求不満も無関係ではなさそう。気持ちとは裏腹に、ヘリオのねちっこい愛撫に逆らえず快楽に堕とされるヒロイン。何度も達して気絶してしまったヒロインに翌日、ヘリオは媚薬を勧めます。これを使えば感度が上がり達しやすくなる、何日もここに篭る必要もない、あなたももっとしたいでしょうと畳みかけてくる。首輪の解除のためと言いつつ、逃げ道を塞がれ武具屋相手に気持ちも体もめちゃくちゃにされてしまうヒロイン。

 

心身ともに強い戦士であるはずのヒロインが、世間の酸いも甘いも知る武具屋の男に堕とされる内容でした。勇者パーティの勇者以外の男性メンバーではなく、行きつけの店の店主に寝取られるのが意外。ねちっこい攻めとしゃべりにヒロインを前からいやらしい目で見ていたんだろうと思うと同時に、通常なら交わることがない関係性にもだえる男の悲哀とやりきれなさを感じました。

 

ヘリオが昔からヒロインのことが好きだったことが作中で明かされますが、武具屋で年齢差もあり成就することはまずない関係性。淡白で潔癖症の勇者より自分の方が性的に優れているとマウントを取ってくるのは、それでしかヒロインの気を引けないからだろうしなんとも切ない。弱みに付け込み脅したり挑発したりと狡猾だけど、終盤の告白でいかにヘリオが本気か聞くことに。腹にいちもつある男が、なりふり構わず本音をぶちまけるのが圧巻です。

 

ヘリオの話を通じて、ヒロインの夫である勇者とヘリオの違いが浮かび上がってきます。社会の汚い部分が許せず政治的にも影響力がある勇者と、裏社会に精通し弱い者の立場や気持ちを知りつつそれで商売する武具屋とあまりにもかけ離れた存在。光の者と影の者の対比を聞くかのようで、序盤で語られる立ちんぼ娼婦の取り締まりの話とか、影の濃さにドキッとさせられます。

 

ヘリオ目線だと勇者のいたらなさや社会の見方の浅さが見えるようで、勇者って強いんだろうけど案外大したことないのでは、とリスナーに思わせるのがすごい。魔物を討伐し平和をもたらす勇者は偉大なはずが、なんでも知ってるヘリオの方がまともに思えてしまう。シチュエーション形式が非常に上手く作用していて、レベル概念や勇者や戦士といったド〇クエ風の世界観なのに、会話を通して社会問題が浮かび上がってくる聞かせ方があまりにも秀逸。

 

試聴後、Ci-enで公開されているSSを読むことをおすすめします。ヘリオの表と裏、矛盾した心持ちにこ、この男~という気分。本編でめっちゃしゃべるし本音もぶちまけるけど、本心は小説読まないと分からないなと。厄介なこじらせ男が好きな方向けです。