同人サークルらぶぐれねぃど発、ヒロインが仮面舞踏会で出会った男性に軟禁されてしまうDL音声。
現在フリーのヒロインは人肌恋しさを感じて、過去に一度参加したことがある仮面舞踏会に行くことに。それは高級会員制の仮面舞踏会、LustOVE（ラストオーヴ）というもの。パトロン気取りの男に言い寄られているところに、割って入ってくる青年が。彼は男を追い払い、ヒロインに話しかけます。柔らかい口調で冗談を言う彼から飲み物を受け取り、乾杯することに。
見知らぬ部屋で何故か男とキスをしているヒロイン。相手は先程の仮面舞踏会で出会った青年でした。ようやく薬が抜けてきたと謎の言葉が。渡された飲み物に薬が入っていたらしく、そのせいでヒロインの意識がはっきりしないのでした。ヒロインが体がうずくと言うからキスをしたと青年は言いますが、ここはどこなのか。ここは僕の自宅で、あなたの部屋とか言ってる意味が分からない。お持ち帰りされたと思いきや様子が変。初対面ではない、ファーストキスの相手と彼は言います。口調は穏やかですが、ヒロインを解放する気はないよう。ヒロインの気持ちはお構いなしで、キスされ下半身を擦り付けられてる。好き、愛してる、かわいいと仮面舞踏会で出会った相手とは思えない執拗さに困惑することに。
次の日の朝、部屋にやって来た高齢の男性にお嬢様と呼ばれるヒロイン。青年の名前は水埜輝凪（みずの・てな）で、自分は水埜家に仕える執事の賀田（がだ）と言います。輝凪はヒロインの幼馴染と執事は言いますが、ヒロインにはっきりとした記憶はなく。かろうじて輝凪の名前は覚えているよう。輝凪は今は会社のCEOで、ヒロインの身の回りの世話は輝凪がすると賀田は言います。ヒロインは外に出ることが出来ない、監禁というか軟禁ですねとあっけらかんとした様子。ヒロインの意志は完全に無視されてるんだけど。
そこから輝凪に軟禁されつつ、身の回りの世話をされることに。ヒロインの世話は賀田にも譲れない、と口調は穏やかだけど頑固。子どもの頃の強気のヒロインに憧れていたと昔話をしつつ、ここから出ようとしても無駄ですよと心を読まれてる。賀田を以前からヒロインの監視につけていた、とさらっとすごいこと言ってくる。再会のタイミングをうかがっていたらしく、それがラストオーヴだったのでした。輝凪はずっとヒロインのことが好きだったと話します。女性とも男性とも付き合ったことはあったが違うと思っていた、誰もがあなたじゃなかったから駄目だった、と意外と遠まわりしてきたよう。言ってることが重いし、やってることは犯罪なのですが、うっとりとした口調で言われると長年会えなかった恋人との逢瀬のような。どうして私のことが好きなのと聞くヒロインに、人を好きになるのに理由なんかいらないと言う輝凪。言葉自体はありきたりなのに、行動と執着心と年月の長さですごい説得力。感極まった輝凪に抱かれることに。
ヒロインがほぼ覚えていなかった幼馴染と仮面舞踏会で仕組まれた再会をし、家に軟禁されて自由はないとか、典型的な監禁ものかと思いきや質感が異なる印象でした。していることは強引ながら、しゃべりはずっと優しく穏やかで無理矢理と感じにくいのがバグ。フランス人と日本人のハーフで容姿端麗なお金持ち、自らはCEOと何もかもが恵まれているはずが足りないものはヒロインだけ。他人で満たせないものを、ヒロインが全て持っているかのような執着と溺愛でした。ヒロインが愛用しているものを知り尽くし生理周期を把握、生理や避妊の正しい知識を持ち、思いやりの言葉を掛け、親切なようで有無を言わせないありよう。最後のセリフの徹底ぶりに戦慄する思いで、このキャラクターなら実践するだろうと思えるのがすごい。
上流階級の男性ゆえなのか気遣う言葉を掛け、譲歩する姿勢を見せつつこちらに申し訳なさを感じさせ、従わせる話術がとんでもないなと思いました。言語化能力の高さも加わり無敵かと。八神さんの物腰柔らかい、ゆったりとした色っぽいしゃべりが素晴らしいです。言葉や場面によって優しかったり早口だったり、乱れたりと緩急つけたしゃべりにコントロールされている気分。落ち着いているようでヒロインの前では感情豊かです。
彼個人のエピソードや嗜好と相まって、常人とは異なる人となりを想像させる脚本が上手過ぎる。作品紹介の文章からしてあまりにも秀逸。他の監禁ものと一線を画すことに成功していて、脚本とキャストのパワーを感じました。これはシチュエーション音声でこそ最も輝く作品。聞き流すのではなく、集中して聞くと凄さが分かるかと。もっとたくさんの方に聞いて欲しいです。
