偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

悪いひと~ヤクザ幼馴染の溺愛~(CV:茶介)

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同人サークルBoneCage発カフェをオープンしたヒロインの元に、ヤクザの男が借金の取り立てに来る一部始終を描いたDL音声。

ヒロインは子どもの頃に亡くなった父が経営していた喫茶店に憧れ、いつか自分でも店を持ちたいと努力してきた女性。彼氏の協力もあり念願のカフェをオープンすることに。なんとか生活出来る程度に店を切り盛りしていたところ、彼氏が店の権利書を持ち出し失踪、一週間たった頃閉店後の店内に若いヤクザの男がやって来ます。

 

ヒロインの恋人がこの店の権利書を担保に、闇金で多額の借金をしていると言うヤクザ。反論しようとするヒロインに店を売って借金返金しろ、警察を呼んで自分を追い返したところで他の取り立て屋がやって来るぞ、とまるで歯が立たず。すぐ借金返済出来るほど儲かっている店ではないから店を売るべき、そうでなければヒロインが風俗で体を売るかを突きつけられます。さらに彼氏は有名な結婚詐欺師で、待っていても無駄と告げられ短時間で心を折られる話ばかり。それでもヒロインに応じる気はなく。男はヒロインを面接のため場所を変える、と彼女を連れ出します。

 

店の外で待っていた舎弟の男に、面接するなら人を集めると意見されるも彼を殴り飛ばし、面接はひとりですると言うヤクザ。ねちっこいしゃべりといい荒っぽさといい、その筋の男なのは間違いがなく。乗り込んだ車で、自分に見覚えがないかと聞かれるヒロイン。男は竹倉庵(たけくら・いおり)と名乗ります。それは昔いじめられっ子だった幼馴染の名前でした。ヒロインはいじめっ子から庵をかばった過去があり、ようやく彼女は庵を思い出します。庵が何故ヤクザになったのか聞くと、高校に上がる前に両親が蒸発、親戚にたらい回しにされグレて最後はヤクザに行き着いたとのこと。ヒロインの父が亡くなり今はカフェ経営で苦労していることを庵は知っており、同情的な胸の内を語ります。先程店を売らないなら風俗で体を売れと言ったものの、本音ではさせたくないよう。風俗で働きつつカフェを経営するのは無理、風俗は過酷でお金も手元にほとんど残らないことを告げ、ヒロインを説得しようとする庵。それでも店を売らないと言い張るヒロイン相手に、面接すると庵は言います。山奥で車を停め、ここでヒロインを犯して逃げられないようにすると恐ろしい言葉が。逃げたら店を売ることに同意したと見なすと言われ、逃げ道を絶たれてる。キスで媚薬を口移しされ、その場で犯されることに。

 

借金返済の期日になり、庵が店にやって来ます。彼氏が見つかった、今事務所にいるという話を聞かされることに。庵が彼氏を探すため手を回していたおかげで、案外早く見つかったのでした。彼氏はホテルにデリヘルを呼んでお楽しみ中だった、とろくでもない男であると強調する庵。彼氏はヒロインに店を売るよう指示すると言っているが、店を売らずに彼氏に借金返済させて復讐してやれ、と庵の悪魔のささやきが。庵の予想に反してヒロインは店を売ると宣言、裏切られたのにまだ彼氏をかばおうとしていると思った庵は激高し、わめき散らします。

 

とても情報量とセリフが多い作品ですが、ヒロインとヤクザのやり取りにフォーカスされており彼氏は登場せず、シチューション音声の特性をよく活かした構成でした。頭の回転が早く口論と恫喝でマウントを取ってくるインテリヤクザでありつつ、ヒロインの前では思ったことに蓋をせず色々しゃべってしまうのが正直過ぎる。彼氏の本性を教えてもまだ好きなのかと思いブチ切れて嫉妬、ヒロインが初恋だったことを暴露してしまうところに人柄が出てるなと。策士の面と不良少年が同居している印象で、子どもの頃の思い出もありヒロインは庵を恐がっていません。借金返済をヒロインに迫りつつ彼氏を見つけるため裏で部下に指示していたり、何だかんだ言って面倒見がいい。日常シーンではおっとりしたしゃべりだった彼が濡れ場だと急にバリバリの隠語使ってくるのは音声作品あるあるですが、荒っぽい気質の庵だと違和感がないのも良かった。ドSに挑発しつつ、ずっと好きだったヒロイン相手にがっついてしまうのがかわいい。

 

ヒロインにがっつくあまり中に出してしまった際、後で舎弟に薬持ってこさせると言ったり、人と会う前にセックスして事後身支度整えなきゃと言ったり、恋愛やエロが至上ではないキャラクター造形が面白いです。ヤクザだけど仕事には妥協しない男でヒロインが入れたコーヒーを褒めたり、店周辺を独自にリサーチしてウィークポイントを指摘したり、マネジメント能力があることを会話シーンで描いているのに説得力を感じます。庵の商才と人を見る目が発揮され、それがラストの展開にも繋がっていて、話がしっかりまとまっているのが上手いなと思いました。