偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

例えばこんな出逢い方~select:辰巳令~(CV:椎名春人)

同人サークル「サークル夜市」2017年リリースの作品。意外な出会いから恋に発展するシリーズ(2020年4月に新作がリリースされました)。声は椎名春人さん。www.dlsite.com

ヒロインは友人の借金を肩代わりすることになり、困り果てていました。返済方法が思いつかず街で独り言をつぶやき歩いていたら、見知らぬ男性から名刺を渡されます。名刺には「AV制作タレント事務所」の文字が。数日後、ヒロインは事務所に行く決心をし、ドアをノックします。出てきたのは名刺を渡した男ではなく、ぶっきらぼうな青年。借金返済のためAVに出演したいと言うヒロインに、彼は冷たい態度。どうしても出たいなら他の事務所の素人企画にでも出れば、金のために仕方なくやろうという人間には務まらない仕事だと言います。覚悟してきたとヒロインが言うと、身近な人間に知られたらどうするんだと質問が。職場で自主退社を勧められるなどの、AV出演のリスクを脅し気味に延々と語る彼。そんな中、AV出演している女優が身バレして出れなくなった、という電話が事務所にかかってきます。続いてヒロインの携帯が鳴り、ヒロインに名刺を渡した男性の声が。女優が出演出来なくなったかわりに、街で出会ったヒロインを代役にする話を、スカウトの男性がつけていたのです。目の前の青年は苛立ちつつ、話を進める方向に。AVの撮影日は明日で、今この場で出演するか決めろとヒロインに迫る彼。高額の報酬額を聞いたヒロインは、AVに出演する決意を固めることに。

 

翌日、撮影スタジオに行くヒロイン。昨日事務所で出会った青年、辰巳令(たつみ・れい)は素人のヒロイン相手に失敗は許されないと強い口調で言います。監督が提示した、素人女性を起用する条件は男優の変更。出演する男優は目の前にいる青年、令だと言います。彼は女性向けAV作品に多数出演するAV男優、四宮槇(しのみや・まき)だったのです。監督が素人であるヒロインの起用を許可したのは、四宮槇でAVを撮りたいというのが理由のよう。ヒロインは緊張しつつ、令にいいもの作りましょうと声をかけます。ストーリー仕立ての、令メインの作品を撮ることに。

 

撮影が終了し、契約書を事務所で取り交わすと令から指示が。一度自宅に戻ったヒロイン、アパートの部屋の鍵が開きません。一晩部屋の外にヒロインがうずくまっていると心配した令がやって来て、ヒロインに声を掛けます。留守の間、 借金取りが部屋に来ていたと言うヒロイン。借金取りに出くわし恐怖を感じた大家は、勝手にヒロインが引っ越したことにしたのです。部屋の鍵穴を変えられたため、中に入ることが出来なくなっていたのでした。賃貸契約は切られないものの、二週間部屋に戻れないと途方に暮れるヒロイン。見かねた令は自分の家に来るよう、ヒロインに声を掛けます。ただで泊めてもらうのは申し訳ないと言うヒロインに、家事をしてくれたらいいと言う彼。神経質な物言いですが色々指示してくれる令、面倒見がいいです。

 

その後、二人で共同生活を送ることに。ヒロインは仕事に行き、家に戻ったら家事とまるで同棲カップルのような生活。ある日、令に相談事があると言うヒロイン。作品の販売はまだなのに、彼女にAVの出演依頼がいくつも来ていると言います。撮影スタッフの一人がヒロインのことを漏らしたようで、ヒロインは不安げな様子。AV出演したものの女優になる気はなく、無理してるんじゃないかと言う令の言葉を否定するヒロイン。無理してないし、令の仕事を世間に顔向けできない仕事だとは思ってないと強調します。


借金返済のためAV出演とか男性向けみたいな設定ですが、蓋を開けたら女性向けの作風。濡れ場をフェードアウトすれば、そのままドラマ化出来そうなぐらい作りこまれた脚本です。エロ作品だからと適当にせず、ヒロインがAV出演する経緯や令と同居する過程をちゃんと描いていて、自然な展開が良かったです。元AV男優という設定ですが、心を通わせるまでは全く手を出さず、真面目な男性なのが伝わってきました。神経質でクールだけど面倒見がいい普段と、濡れ場のねっとりと怪しげなしゃべりのギャップが絶妙です。本編での濡れ場は二回で、劇中作のAVと両想いになってから。結ばれてからのエピソードも複数収録されていて、特典も含めれば3時間超えと大ボリュームです。