偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

片恋メランコリア~Living ghost~(CV:利一翔)

片恋メランコリア~Living ghost~(CV:利一翔)

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ケイズ発、幽霊が出てくる風変わりな作品。キャラデザがイケメンじゃないことに興味を持ち購入。同じく幽霊が出てくる湯町駆さんの「エロティック・ゴースト」と対を成す設定で、脚本も同じく西然実音さん。 

 

ヒロインは婚約者に突然振られ絶望し、自宅マンションの4階のベランダから飛び降りようとします。その時彼女に声を掛ける男性が。彼は隣の部屋に住むものの、顔を合わせたことのない青年・秋宮静空(あきみや・しずく)。ヒロインが自殺しようとしたことを知った静空は、彼女を引き留めようと生きていればいいことがある、いやあるのかなと身の上話を始めます。静空は子どもの頃から不運続きで何をやってもうまくいかない、就職先はブラック企業で激務の末体を壊し退職、今は貯金を切り崩しつつひきこもり生活を送っているとのこと。自殺しようとした理由は婚約者の心変わりとヒロインが話すと、我が事のように憤り彼女を励ます静空。礼儀正しく真面目だけど苦労性ゆえ卑屈かつネガティブな発言をしがちで、その分人の痛みが分かる青年のようです。ヒロインと話せたことを喜び、また界壁越しに話しませんかと言う彼。それから二人は顔を合わせることなく、時折ベランダで言葉を交わすように。 

 

一週間後、ベランダで会話する二人。ヒロインは静空に悩みを相談します。誰かの視線を感じる、つけられている気がすると言うと、ストーカーではと静空は心配します。後日職場で残業した後、帰宅中のヒロインに「逃げんじゃねーよ」と呼びかける男の声が。べらんめえ口調でガラが悪く、チンピラのようなしゃべりです。姿は見えず彼女の日常の過ごし方を言い当て、まるで見ていたかのような。お前のことは何でも知ってる、逃げようとしても無駄、どこまでもお前につきまとってやると高笑い。恐怖に耐えつつ自室に戻り、鍵をかけるもののまた男の声が。「お前の後ろにいる」とかホラーです。男の姿は透けていて、幽霊ではと怯えるヒロイン。死のうとしてたんだから犯しても構わないよなと恐ろしいことを言われ、キスされ犯されることに。嫌がるヒロインにお前の全てが欲しい、お前が好きと言う幽霊。こんなに人を好きになったのは初めてと、以前からヒロインのことを知っているかのような口ぶり。拒絶するも止めることはなく怯えるヒロインになんで顔そらすんだよ、俺を拒むんだと幽霊は詰め寄ります。脅して言うことを聞かせるとか、ヒロインが受け入れるわけがないのですが。執着心と独占欲があふれて止まらない様子で、そのまま何度も犯されることに。 

 

利一翔さんによる一人二役で、礼儀正しいけど卑屈でネガティブなひきこもり青年と、オラオラ系の幽霊と演じ分けが見事です。理不尽な話なのですが細かく心理描写がなされ、リスナーを巻き込む脚本に翻弄されます。最終トラックの心情の吐露が圧巻で、濡れ場はこうなるのねと驚きました。男性キャラクターに感情移入出来るかが分かれ道かと。好き嫌いが分かれる内容とキャラクターだと思います。展開や真相は大体想像がつきますが、結末に至るまでの過程がびっしり描かれ、一時間中だるみなく聞けました。

アニメイト特典「夏夜に犯されて」

本編終了後の話で、ヒロインが女友達と花火大会に行った帰り、幽霊が現れ茂みに連れ込まれ襲われる内容。執着心と独占欲の強さは相変わらずですが気遣いも感じられ、歪んでいるけど幽霊なりの接し方なんだろうなと思いました。