偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

蛇神の棲む島~陰の章~(CV:夜乃かずお)

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花鏡浪漫発、蛇神が棲む島の因習に翻弄されるヒロインと男性キャラクターの恋とエロを描いたシリーズ第一弾。CD販売はなく、DLのみのリリースとなります。

 

ヒロインは御槌島(みづちじま)で機織りの仕事をしている女性。村役場に織物を納品した帰り、幼馴染の水瀬巽(みなせ・たつみ)に声を掛けられます。巽は御槌神社の跡取り息子で、祖父のために薬を取りに行くところ。祖父はあまり長くないと告げる巽、祖父が亡くなったら次の宮司は自分、と責任感が強い青年のようです。この島特有の神事である七年に一度の蛇神様の祭りが近づいてきていて、それを楽しみに過ごしているのでした。

 

後日、ヒロインを道で待つ巽の姿が。祖父が今年の神事は中止と告げた、巽とヒロインに話があると呼び出しを受けることに。二人で巽の家の祖父の部屋に行くと、祖父の様子がおかしいと巽は言います。宮司である祖父の中には今蛇神がいて、体を借り話していると驚きの言葉が。久しぶりに人の子を花嫁として迎えると言う蛇神。ヒロインを花嫁もとい贄とし、次の宮司である巽を依り代に指名すると言います。昔、この島では台風や津波は蛇神の怒りによって起こり、それを鎮めるため生贄を差し出していました。近代ではわら人形を海に沈めていたのですが、贄の儀式を復活させるというのです。贄は蛇神の花嫁であり、選ばれるのは島の若い処女。依り代に選ばれた男性が体に蛇神の御霊を宿らせ、贄の女性と交わりお腹に子を作り、女性は生贄として海に沈められるとのこと。儀式をしなかったら島を海に沈める、と蛇神は告げめちゃくちゃです。託宣は絶対だから従うと告げる祖父、一体いつの時代の話なのか。島のためならとヒロインが託宣を受けると言うと、巽から反対が。村人は祖父の言いなりで味方が少なく、一度受け入れたふりをして逃げ出そうと提案されます。神社にヒロインも泊まるよう指示され、蛇神について調べる巽を支えることに。

 

数日後、再度宮司から呼び出される巽とヒロイン。今すぐ交合の儀を執り行うように、と託宣を受けた祖父は話します。控えていた者達に巽とヒロインは捕らえられ、気絶させられてしまうのでした。二人が目を覚ますと地下牢に閉じ込められていて、身動きが取れず。蛇神の接近を察知した巽は逃げるよう叫びますが、苦しむ彼に蛇神が取り憑いてしまいます。言葉遣いが大仰になり、ねっとりしたしゃべり方と普段の巽とはあまりにもかけ離れた印象。ヒロインは昔、蛇神の花嫁になることを拒んだ女の末裔だと告げられます。大昔のことなのに執着心が半端ない。蛇神は巽のヒロインへの好意に気付いていて、彼女を引き寄せ抱こうとします。ヒロインが抵抗する様を見て喜び、嗜虐心を刺激されたよう。

 

久しぶりの女の体を味わったためかヒロインの肌を貪り、反応を愉しんでいる蛇神。ヒロインの抵抗も空しく組み敷かれ、何度も中に出されることに。やっと解放されてもヒロインが身ごもるまで何度も訪れる、と告げられ悪夢はまだ終わっていないことを知らされます。蛇神が去った後巽に謝罪されますが、彼も傷ついている様子。蛇神に取り憑かれても巽の意識は残ったままで、自身の体でヒロインを犯しつつそれを見ていたとか地獄では。巽はヒロインへの好意を認め、好きだからこそ守りたかったと後悔が止まらないよう。蛇神がヒロインに目を付けたのは巽が彼女に好意を持っていたからで、そうなったことを激しく後悔しているのでした。ヒロインも昔から巽のことが好きと告げ、感極まった彼に抱きしめられます。とは言えせっかく両想いになっても、夜になれば蛇神がやって来る恐怖の日々を過ごすことに変わりはなく。

 

次の日、逃げ出そうとするも叶わず苛立ちを募らせる巽。再度巽の体を乗っ取った蛇神が現れ、ヒロインも巽のことが好きなら別にいいじゃないかと言われる始末。今日は巽になりきって抱いてやる、と抱き寄せられるヒロイン。最初は巽の優しい口調ですが、本性は隠せず蛇神のしゃべりに戻っています。結局いいように犯され、状況は変わらず。

 

独自の因習が残る島で、生贄と依り代に選ばれた男女の悲劇とエロを描いた内容でした。異なるキャラクターで分岐と、乙女ゲームのような作風。同一キャストで通常の優しいバージョンと人外に取り憑かれたヤンデレ演技と、シチュエーション音声の特性を活かした、ひとつで二度美味しい作り。同レーベルのルジュノワのごとく媚薬エッチもあり、キャストの方の色んな演技を楽しむことが出来ます。蛇神状態での凌辱から素の巽との甘くて激しい行為と、聞きたい内容全て入れた印象でボリューム満点です。

 

音声作品としては情報量が多く設定も複雑な今作、聞き直すと色んな気づきが。依り代になった男性は乗っ取られている時も意識がある話は、寝取られ感がある絶妙な設定。序盤で宮司が乗っ取られた時そのことがすでに示唆されており、聞き直すとそうだったのかとなりました。巽との会話で少し出てくる、ヒロインや母が村八分にされていた話も、ヒロインがあっさり生贄になることに応じる理由になっていて、無理のない展開に膝を打つ思い。

 

配信限定のレーベル花鏡浪漫、CDでやってることをDLでしているというより、DLだからこそ出来ることをしているように感じました。CDより長い尺で特典つき、値段はCD一枚分と同じと、花鏡さんらしくて良心的。花鏡の作品は特にそうだと思うのですが、CDだと人気が出ないと続編がリリース出来ないのに対して、すぐ次を出してくるのも配信限定の強みに感じます。賛否両論ありますが、作品によってリリース方法を変えるやり方が今後のスタンダードになるのかなと思いました。