偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

ボイスドラマ「冷徹王子は溺愛の素質があるかもしれない」(CV:冬ノ熊肉)

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人気TLマンガ「冷徹王子は溺愛の素質があるかもしれない」がボイスドラマ化。CDの販売はなく、がるまに内で購入可能。上下巻同時リリースで、こちらではまとめてレビューします。

ヒロインは普通のOL。ある日ヒロインが目を覚ますと、そこは彼女の家ではなく見慣れない部屋の中。別室に連れて行かれ、そこには若い男がいました。ここはロキオン王国で、第二王子のアステラと名乗る彼。ここはヒロインがいた世界ではないこと、この国では他の世界で死んだ人間を転生させることが法律で認められている、とアステラは言います。ヒロインは元いた世界で車に撥ねられ死亡、こちらの世界に召喚され異世界転生したのだと。戸惑うヒロインに「お前には俺の子を産んでもらう」と告げるアステラ。理由は不明ですが子どもを作る必要があるアステラが、ヒロインを転生させたという話のよう。説明されてもヒロインが納得出来るわけがなく、アステラを拒否しようとしますが男の力には勝てず。ヒロインはアステラに無理矢理抱かれることに。

 

ロキオン王国の現国王は病気で臥せっていて、長くないと噂されていました。次期国王は第一王子ガラシアと言われているものの、ガラシアの第一子が近頃亡くなり後継者がいないことを問題視されていたのです。そこで第二王子のアステラに白羽の矢が立つことに。未婚で恋人もいないアステラに、国王は「王族の血を絶やさないため、子どもを作れ」と命令を下します。アステラは厄介ごとを避けるため身元のない転生人(てんせいびと)の女性を呼び出し、子どもを作る決心をしたのでした。

 

最初は子作りのためのセックスでしかなかったのが、接していくうちに熱心に求められ内面や関係が変わっていくのを描いた作品です。基本的にシチュボ形式でヒロインの声はなし、アステラのセリフとモノローグ中心で進みます。日常パートはサブキャラが登場するシーンもあり、ボイスドラマ仕様です。マンガはヒロイン視点ですが、こちらではアステラのモノローグを聞くことに。マンガ全三話とおまけマンガも音声化、オリジナル展開も含む完全網羅版と豪華です。

 

タイトルは冷徹王子となっていますが、クールだったのは序盤だけで一話のうちにデレるので溺愛の印象しかありません。ボイスドラマ版では王子のモノローグがいたるところで聞けて「冷徹王子は溺愛の素質しかない心の声有バージョン」と呼びたくなります。内省的で真面目、ヒロインをいつも気に掛けていて冷徹要素は一体どこにという気分。マンガは単行本一冊分なのに対して、音声は前後編各100分程度とかなりの長尺。濡れ場は長くプレイ内容や実況も豊富、原作や熊肉さんが好きな方が楽しめる作りです。

 

マンガが音声化される際に気になる点、男性キャラクターの心の声が多い、サブキャラがよくしゃべる、とどちらの要素も含まれています。原作の完全再現を目指した結果、色んなものを足してボイスドラマ要素が増えた印象。濡れ場での王子の心の声は場面によってあったりなかったり。心の声無しでも説明不足とは感じなかったので、濡れ場はモノローグなしで良かったのではと思ってしまいました。純粋に音声として聞くと、思うところが色々出てくる作品というのが正直な感想。原作にはないセリフや展開も多く盛り込まれ意欲作と思うと同時に、原作ありの音声の難しさを感じました。