偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

密薬の処方箋~without a KISS~(CV:蘆引梗矢)

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同人サークルシャトンアリス発、セックス依存症気味のヒロインが精神科医の治療を受けるDL音声。2018年の作品になります。

ヒロインはセックス依存を疑う社会人で、総合病院の精神科の医者にかかることに。対面したのは結城燕(ゆうき・つばめ)という、若い青年の医師でした。最近急に性欲が強くなり、抑えられず一回限りの関係を繰り返してしまうというヒロイン。昼夜問わず仕事中でも性欲に支配されるとか、重症のよう。仕事が忙しく疲れが性欲に結びつくのかもしれない、ストレス解消で自慰をした経験から脳が依存しているのかも、というのが結城の話。女性が不特定多数の相手と関係を持つのは妊娠や性病のリスクがあるから心配、と診察を勧められます。

 

ヒロインの緊張をほぐそうと、ソファに横たわった彼女の肩に触れる結城。ヒロインに目を閉じるよう指示、声掛けしつつリラックスさせようとしている様子。治療と言うものの耳にキスしたり、どういう相手と関係を持ってきたのか聞いたり、ヒロインの欲情をあおっているかのような。辛さから解放してあげましょうと、どこがうずくのか質問する結城、治療のはずがセックスを促している気が。下心を持っているわけではない、と言いつつ服を脱がそうとするのは不自然では。結城の提案でヒロインの体に白衣をかけ、治療を受けることに。胸や下半身を刺激されたり、やっぱりこれセックスでは。ここは診察室でありセックスをする場所ではない、治療の一環と言われかわされてる気分。本音では治療したいと思ってるわけではなく、もっと欲しいと病院に来たんでしょう、とヒロインの心を見透かすかのような言葉が。何故か寸止めされ、少しずつ時間をかけた方が治療が進むと言われ今日はここで終了。三日後ここに経過報告しに来るように、その間セックスも自慰もしないようにと結城から指示されます。

 

三日後、結城の元を訪ねるヒロイン。結局我慢出来ず、一人でしてしまったとばつが悪そうな様子。おしおきと称して結城の目の前で自慰するよう指示を出し、ここでならいくらでも出来る、ちゃんと出来たら手伝ってあげる、とか言ってることおかしくないか。うずきに耐えられないヒロインは、結城の目の前で一人でしているところを見せることに。

 

セックス依存症のヒロインが、治療と称して色々される内容です。言葉巧みに誘導し事細かく実況してあおり、ヒロインがそう望んだと思わせどんどんエスカレートしていきます。ヒロインが悪いと思わせる口ぶりやセリフがずるいよ。プレイ内容はさほど激しくはないものの、病院のシチュエーションや医者と患者の立場による背徳感がすごい。

 

病院に行ったはずが、エロいことされる展開は音声作品ではあるある。リアルだったらNGな治療に翻弄されます。何を考えているのかよく分からない結城にどんどんはまっていき、共依存の関係に。序盤から中盤のしゃべりが明らかに変化していて、親しい距離感になっていきます。そのくせ、ヒロインに男の影がちらつくと急に冷たくなってきつく当たったり独占欲を見せたり、メンタルの不安定さを聞くことに。複雑な内面の持ち主で冷静さや客観性も持ち合わせていて、執着したかと思ったら突き放したり行動や言動が一致しないのに振り回されます。作品を一通り聞いた後でも聞き直すと印象が二転三転するキャラクターで、安易なラベリングを拒むかのような。終盤の結城の長めの過去話は私小説の朗読みたいで、人と向き合うことの難しさを感じました。結ばれてからも相変わらず重く、メンヘラ気質はそのままなのが結城燕といったところ。後日談でも面倒臭い男のままで、ヒロイン大変だなと思いました。

 

濡れ場多めですが、同時に会話が非常に多い作品です。一言で言い表せない感情を時間を掛けて言葉を重ねて語り、蘆引(あしひき)さんの演技しすぎない淡々としたしゃべりが絶妙で中毒性がありました。サークルさん処女作にして3時間超え、後日談も豊富で本気度の高さに圧倒されます。以前の作品ですが、今聞いても名作と思いました。