偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

NoT Reach(CV:テトラポット登、黒井勇)

NoT Reach

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カナリアレコード発、寝取られがテーマのシリーズ第4弾。キャストはテトラポット登さんと黒井勇さんです。こちらのシリーズを聞くのははじめてで、黒井さん目当てで購入しました。

大学生ヒロインと、黒井さん演じる大学院生の先輩・櫻井公人(さくらい・きみと)は恋人同士。ある日、ヒロインは公人から家に来ないかと誘われます。公人の部屋には同居人がいて、テトラさん演じる榎木田颯馬(えのきだ・そうま)が二人を出迎えます。颯馬は自称デイトレーダーで、ほとんど家から出ないひきこもり。ゆるくチャラめのしゃべりで、初対面ながらすぐヒロインと打ち解けた様子。公人と颯馬は子どもの頃からの付き合いで、同居生活も長いよう。颯馬に二人で仲良くするよう言われ、公人はヒロインにキスをします。驚くヒロイン、公人に俺とは嫌かと聞かれますが、颯馬が目の前で見てるんだけど。公人はヒロインにさらにキスをし、俺も混ぜてよと颯馬が入ってきます。公人はあっさり颯馬を受け入れ、二人からキスされるとかどうなっているのか。話を聞くと公人とヒロインはセックスをしたことがなく、これがはじめてとかこんなんでいいのか。ヒロインの経験の有無を聞いたり、下着をチェックしようとしたり、颯馬は一体なんのつもりなの。ヒロインに気持ちいいと言わせたいと二人から攻められるのですが、ヒロインの意思はお構いなしだし、二人ともなんかズレてる様子。颯馬は公人がいかにヒロインに本気か説明、そもそもここに颯馬がいるのがおかしくないか。ヒロインに普通じゃないと言われ、普通ってなんだと聞き返す公人。彼女と幼馴染の颯馬、どちらかを天秤にかけれないと説明されるも、よく分かりません。本番直前に公人から嫌だったら逃げてもいいと言われるのですが、このタイミングで言うかという気分。せめて最初に言ってくれ。ヒロインは公人に抱かれ、颯馬に耳を攻められつつ最後まですることに。

 

ヒロインが目を覚ますと、同じ部屋でパソコンに向かう颯馬の姿が。ヒロインは颯馬を非難しますが応えてない様子。帰宅した公人に事情を聞くことに。恋人と親友、どちらも大事にしたい、優柔不断でずるい自分と話す公人。今までも恋人の共有をしていたと言います。三人でセックスした後、女性は自由で気ままな颯馬に惹かれるようになり、公人はそれでもいいと思っていたとのこと。とは言っても颯馬は公人に興味がない女とは付き合えない、となり最後は別れる展開になっていたそう。話を聞いても、誰にも共感出来ないんだけど。颯馬はヒロインと一緒にいたいと告げ、放っておけないヒロインは家に留まることに。ヒロインは颯馬から、こうなったいきさつを聞き出します。罪悪感と依存、孤独感と色んな感情や思惑が混ざり、二人が奇妙な関係になるに至った経緯を知るヒロイン。二人と向き合うことを決意し、再度二人に抱かれることに。

 

寝取られがテーマのこのシリーズ、他作品は知らないのですが不思議な作品でした。公人はヒロインが好きだけど、颯馬と共有することに抵抗がない。颯馬は自分を哀れんだヒロインに興味を持ちますが、恋愛感情はなさそうな。通常3Pものは男性キャラクター二人がヒロインを獲り合いするパターンが多く、真ん中にいるのがヒロインなわけですが、この作品で真ん中にいるのは公人。ヒロインと颯馬だけなら関心もセックスも発生しないだろうし、公人ありきの3Pというのが特殊に感じました。公人は颯馬を出し抜きたいとは思ってないし、ヒロインに好意はあるけど強い恋愛感情はなさそうで、独占欲も低めで3Pはするという妙な感じ。ヒロインも公人と颯馬を平等に愛す印象はなく、二度目の3Pでも最初に抱かれるのは公人の方。話を聞いた後でも好きなのは公人の方で、公人が望んだから二人に共有されることを受け入れたのかなと思いました。

 

寂しい颯馬を仲間に加えて一緒に仲良くしようとしたのが今作で、恋愛やエロを通り越して人類愛になっているかのような。一見異様だけど三人とも夢中になってるわけではなく、みんな冷静な印象なんですね。長続きするなら、三人は疑似家族のような関係性になるのかなと。個人的に思うに颯馬は恋愛もエロもそんなに求めてなくて、何があっても何をしても、自分を見捨てない家族のような存在を求めているのかなと思いました。本人も家族とは冷たい仲だったというし、公人が彼にとっての家族みたいな存在なんじゃないかと。颯馬が友達が何人もいるタイプなら、こんなややこしいことにはなってないと思うんです。依存先が公人だけだから、こうなってしまったのではないかと。

 

獲り合いも熱愛も過激なエロもなく、ドロドロした展開も関係性もないという、煙に巻かれたかのような気分になる不思議な作品でした。3Pや寝取られの定義が揺らいでしまいそうな、イレギュラーな作風に振り回されました。