偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

夢見屋~第壱夜~(CV:三橋渡)

夢見屋~第壱夜~(CV.三橋渡)

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GOLD発、夢見屋と名乗る謎の店主から夢を売ってもらう不思議なシリーズ三部作。GOLDでは初となる三橋さん、同人音声での活躍を思えば当然と言えますが、シリーズ通しての出演なのがすごいです。(タイトルの第壱夜の変換が異なりますが、正しい変換はリンク先をご覧下さい)

 

残業終わりに家に帰る途中だったヒロイン、目を覚ますと見知らぬ場所で倒れていました。ヒロインの耳に鈴の音と、男の声が聞こえてきます。夢を所望か、よどんだ空気をまとっているという声、姿は見えないのにまるでヒロインを見ているかのような。私は夢売り、夢見屋という声が頭に響き、気付くと今度は古い日本家屋が目の前に。家屋の前には「夢見屋」と書かれた看板があり鈴の音が聞こえ、ヒロインは中に引き寄せられます。

 

家屋の中には着物姿の男がいました。先程聞こえた声と同じで、夢見屋と名乗ったのは彼のようです。私の声や鈴の音が聞こえたのは欲を持っている証拠、と初対面のはずが何もかも見透かすかのような口調にヒロインは苛立ちを隠せない様子。一夜限りでもいいと思う強い夢を言うよう促されます。いつの間にか夢見屋の手には風車が。相手の夢が形を取って現れるようで、ヒロインの夢の象徴は風車のよう。ヒロインは仕方なく願望を口にします。職場の上司の男性に憧れている、上司は仕事が出来て見た目も良く、女性にモテるとのこと。上司と恋仲に、もっと言うと溺愛され肉体関係になるのがヒロインの夢なのでした。夢の対価は夢見屋を思い出すこと。彼の存在は不安定で、忘れず覚えていてくれたらいいと聞かされます。夢を見た後戻ってくる約束をかわし、ヒロインは憧れの上司と恋する夢を見ることに。

 

舞台は変わってオフィスへ。ヒロインの電話が鳴り、相手は上司の藤堂直哉(ふじどう・なおや)。今している仕事がひと段落着き次第、指定の会議室に来るよう言われます。直哉はヒロインが作成した資料が好評だったと褒め、急な呼び出しはそのためのよう。聞くとクライアントや社長がヒロインを褒める時、顔がにやけていたそうで嫉妬心が湧いたのが本音みたいです。直哉はヒロインにキス、オフィスなのに彼女を抱こうとするとか、TLみたいな展開キタ。会社でやるのははじめてじゃないと言い、仕事が出来る男のはずがなんでそんなに色惚けしてるんだ。とは言え溺れているのはヒロインも同じで、口では嫌がっても体は反応している様子。ストッキングや下着の替えを持ってるとか常習犯です。防音設備はないし、廊下までヒロインの声が聞こえるかも、とかあおられます。

 

仕事を任され、残業中のヒロイン。送ったメッセージに既読がつかないと、直哉がヒロインのいるフロアへやってきます。ヒロインの部屋で過ごしたかったようですが、残業をさせた相手や周りの人間が気に入らないとか、怒りの沸点が低くないか。直哉は自分たち以外いないオフィスでヒロインにキス、仕事の疲れもあって苛立っている様子。自分のデスクで直哉に抱かれるヒロイン、途中誰かの足音が。ヒロインは隠れ直哉が見回りをしていた警備員を応対、難なくやり過ごしセックスの続きをするの、こなれすぎてる。この姿を警備員に見せたかったか、と言葉でも責められます。事後、下着が汚れたからノーパンで帰るとかリスク高くないか。電車ではなくタクシーに乗ることになったのは幸いですが、直哉に手で下半身をいじられたり反省してません。帰宅後、激しくキスされ家でも抱かれることに。一日で三回もセックスしてるの、どんだけ溺れてるんだ。

 

夢見屋という夢を売る店主の設定が独特ですが、ヒロインの意中の相手とセックス込みの夢を見る内容、とシチュエーション音声に非常に適した構成かと思います。オフィスで自宅で、3トラックに及ぶエロが聞けてとってもエロかったです。オフィスラブものだと男女ともエロにばかり行き過ぎではとなるところを、これは夢でヒロインの願望と思えばTLみたいな展開にも納得がいくもの。クールだけどヒロインを溺愛、周りに嫉妬してそれすらもヒロインをあおる材料にしてくるとか、乙女の願望を絵に描いたような男性キャラクターでした。クールで色気溢れる上司と、ミステリアスで内心を見透かすような夢見屋と、三橋さんの声を活かしたキャラクターが好印象。

 

三橋さんは同人音声でかなりの数の作品に出演されていて、普段同人を聞いていて商業はあまり聞かないリスナーの方もいらっしゃるかと。商業CDならではの高音質と完成度の高い脚本と構成、濡れ場しっかり、水音も大きめと商業と同人のいいとこどりの印象の今作、気になるなら買いかと思います。逆に商業中心に聞いていて同人を聞かない方が聞くと、演技や声の良さに驚くのではと想像、つまり音声リスナーに広く刺さる作品です。

 

個人的にはGOLDの初期シリーズにして、こちらも脚本が穂乃みのりさんの「君の声に恋してる」シリーズを思い出しました。君恋がリスナーのリクエストによる性愛体験CDとそのまんまな設定に対して、こちらは夢見屋という水先案内人を用意、ミステリアスな作風に落とし込んでくるのにより洗練を感じました。