偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

催淫クリニック~眠ったら君は僕のモノ~(CV:一条ひらめ)

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純愛、甘々系作品中心のmonoBlueとは異なり、暗めの作品メインの新サークルmonoBlackの二作目。こちらも一条ひらめさんが脚本、声を務めておられます。今回の相手は元同級生の精神科医催眠療法となっていますが、催眠音声ではないため注意。クリニックで薬を用いて、時間を掛けてヒロインを堕とす内容となっています。

 

仕事のストレスに悩まされるヒロイン、胃を痛めてしまい内科を受診することに。病院が入っているビルでヒロインが内科を探していると、彼女に声を掛ける男性が。内科は下の階と言われ降りようとすると、彼はヒロインを呼び止めます。僕のこと覚えてませんかと言い、小中で同級生だった夜伴薫(よとも・かおる)と名乗ります。本好きの夜伴君とヒロインが言うと、嬉しそうな顔をする彼。診察が終わったら話しませんかと誘ってきて、元同級生とはいえ積極的だな。時間掛かるし迷惑ではとヒロインが遠慮すると、そこにある夜伴クリニックに来てくれたらとの言葉が。彼は精神科医でクリニックを経営しているのでした。診察後、クリニックに行く約束をすることに。

 

診察を終えたヒロインがクリニックを訪ねると、彼女を歓迎する夜伴。ヒロインは中学生の時家族で他県に引っ越したのですが、今は仕事でこちらに戻っていて夜伴とは十年以上ぶりの再会。小学生の時、図書室で本を読んでいた夜伴にヒロインから声を掛けたのがきっかけで、二人は口を聞くようになったのでした。世間話に花を咲かせつつ、何故内科を受診したのか尋ねる夜伴。仕事のストレスと不眠とヒロインが答えると、お互い大変だねといたわりの言葉が。小学生の頃はいじめられていた、あの時ヒロインが優しくしてくれなければ医者にもなっていなかったかもしれない、とかなり感謝している様子。ヒロインが戻っていたこと、彼女の父が出世したことを知っていたり、医者ゆえなのか人の流れに詳しいようです。もし良ければ精神科も受診してみない、と誘いが。お試しで、と催眠療法を勧められます。不安そうなヒロインに、内科の薬を飲んでも悩みの元がなくなるわけじゃないからと親身な言葉が。彼の提案により、ヒロインは催眠療法を受けることに。

 

アロマを焚いた診察室で渡された水を飲み、催眠を受けるヒロイン。ゆっくり呼吸や体の動きを意識させ、リラックスさせる夜伴のしゃべりが心地良いです。眠りに落ちたヒロインに話し掛け、これは催眠術じゃない、さっき渡した水には薬が入っていたと言う夜伴。あれは現実と妄想の境を曖昧にする催淫薬、これから君が僕に依存するようにするとかよく分からない言葉が。

 

ずっと会いたかった、転校してからもずっと忘れたことはなかったと歓喜した様子で話す彼。はじめて話した時から好き、図書室で話していた時が人生で一番楽しかったかもしれないとか、尋常ではない感情があるよう。いじめられていたけどヒロインがいたから耐えることが出来た、君との会話は日記に全て書いてるとか、感情がはみ出しています。中二の時夜伴はヒロインに告白したのですが、他に好きな人がいると断られたとのこと。夜伴の気持ちの大きさに反し、ヒロインは単なる同級生と思っていたよう。会えない間もヒロインを想っていた、今よりずっとちゃんとした男になるという言葉は立派なのですが、気持ちのすれ違いが極端だし熱量の高さが異常。ヒロインの耳元で好き好きと何度も繰り返すうちに、夜伴の下半身が反応してしまいます。鎮めるためと彼女の顔を見ながらはじめてしまうの正直過ぎる。本音ではヒロインを襲いたいようですが、必死に自身を慰める夜伴。しばらくして目を覚ましたヒロインに、何事もなかったかのように軽快に話すのプロだな。今後も催眠療法を受けるよう勧められ、ヒロインは通院を続けることに。

 

後日今までは夜伴の声でリラックスしていたのを、今度は触られて感じるよう施術を受けるヒロイン。最初はごく弱い刺激から始めるも、下半身のうずきを指摘され服を脱ぐことに。下着の上から触られても、施術状態のヒロインは拒むどころか心地良く感じてしまうのでした。達するところまでして、施術は終了。「起きたらこのことは忘れる」と夜伴にささやかれ、眠りに落ちるヒロイン。催眠が上手くいったことを喜ぶ夜伴、以前は自慰で済ませていたのを眠っているのをいいことに、ヒロインを犯すことに。穏やかな物腰が一変、ヒロインの匂いに狂喜し彼女の体を貪る夜伴。

 

その後も通院は続き、今度は診察室の中にいながら自分の家をイメージするよう促され、夜伴に触られることに。リビング、キッチン、バスルーム、玄関、ベッドルームと全ての部屋で夜伴にエロいことをされ、どこにいてもエッチな気分になるよう刷り込まれるヒロイン。夜伴に電話アプリのアカウントを教えられ、自分から電話を掛けスマホ越しに声を聞きながら自慰したりと、どんどんエスカレートしていきます。

 

三時間以上の長尺で、じっくり堕とされます。催眠が掛かっていない時の会話が表面的には施術の経過を話しているかのようで、実際はヒロインの体を堕としている経過報告なのがリスナー的ににやりとするポイントでした。病院で医者からエロいことをされる展開は音声作品あるあるですが、優しい声とソフトタッチによる癒しに始まり徐々にエロがエスカレートしていくの、丁寧かつ忍耐力がありすぎて。序盤の施術パートはエロなしで心地良いささやきで癒し効果が得られるの、ヤンデレなのに間口の広さがすごいよ。彼のやり方を聞いていると、心理学を研究している人の話に出てくる「好きだから相手のことを考えるんじゃない、考えるから相手のことが好きになるんです」というのを思い出しました。心では嫌がっていても体の関係を持ったらだんだん釣られるようになる、ヒロインに好きって声に出して言ってと迫るのもそれの実践なんですね。あと電話してる時、途中で「ビデオ通話にして(一人でしてる姿を見せて)」と言うの天才かと思いました。基本的に穏やかでソフトな言葉遣いとしゃべり方ですが、最後に「いけッいけッ」って命令口調になるの、本音と興奮が抑えられてなくて最高でした。

 

過激なプレイはなく、同人音声の他作品と比べても内容はむしろシンプル。音声におけるエロとはプレイ内容より声で安心させ言葉責めで感じさせ、リスナーの欲情を引き出すことなのが分かります。後半ではすっかり夜伴先生の虜になり「ヒロイン一体どこが嫌なんだ?」という気分になっているという。夜伴先生は強欲なのでヒロインをセフレにしたら満足ではなく、彼女の人生も手に入れるのが最終目標かと思います。その後はリスナーの想像に委ねる描き方でしたが、通院をやめてない時点で夜伴先生の勝ちは確定かと。

 

夜伴のキャラクター造形が見事です。過剰なところがはみ出していてどこか危うさは感じるものの、冗談交じりの軽快なしゃべりでヒロインをリラックスさせたり、声が心地良いです。ヤバさは漂わせつつ、気持ち悪いところまでいかない狂気や興奮して早口になる演技の匙加減が絶妙。この作品に限らずひらめさんのサークル作品全般に言えることですが、女子の萌えと地雷を熟知してる感覚はどこから来てるのか。単に頭がいいというより、皮膚感覚で分かってそうな印象なんですよ(個人の感想です)。ご自身のサークル作品や他サークルさんの作品への出演経験だったり、ファンの人達とのふれあいが蓄積して身に着いた感覚じゃないかと。初心者からヘビーユーザーまで虜にする作品作りに脱帽です。2021年は月間どころか週に何本も新作リリースされていて、日刊ペースだった時もあったひらめさん、今作はその集大成と呼べる内容でした。全女性向けと言っても過言ではない傑作だと思います。