偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

余計者の恋一幕舘山葉之助(CV:河村眞人)

余計者の恋 一幕 舘山葉之助

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ホビガールズの新レーベルCamellia発、無頼な男たちとの恋を描いたシリーズ。明記はされていませんが、現代設定ではなく昔の東京が舞台のようです。

辞めた前任の担当者の後任として、画家の舘山葉(たちやま・よう)の担当をすることになった出版社勤めのヒロイン。挨拶しに彼の家を訪ねるも、女の担当だなんてとか嫌味を言われたりずいぶんな様子。まだ正式に僕の担当になると決まったわけじゃない、と雑誌を取り出す舘山。彼は雑誌に載っている画家の絵をヒロインに見せます。それを見たヒロインは「どこか寂しい」と応えます。舘山は合格と言い、自分も寂しさを感じたとのこと。ありきたりの感想だったら不合格だったと言う彼、一応テストには合格したけど君を信用していない、人間そのものが嫌いとか手ごわい様子。

 

後日、舘山が病院に運ばれたという知らせを聞き、慌てて駆け付けるヒロイン。絵のモデルと心中未遂を起こして病院のベッドにいる、とまるで他人事のように説明する彼にヒロインは怒ります。モデルに葉さんと一緒なら死んでもいいと言われ、じゃあ一緒に死んでと心中しようとしたと話します。モデルは死ぬのは怖いと泣いたとのことで、人間は信用ならないと言う彼。話し方といい突飛な行動といい、なんか子どもっぽくないか。ヒロインはどうやったら信頼してくれますかと質問、賭けを持ち掛けることに。何があっても舘山を信じるから、認めた時その理由を教えてくれと詰め寄ります。裏切ったら煮るなり焼くなり好きにしていいというヒロインを面白がる舘山、ヒロインの給金の半年分を賭けるのはどうと提案します。どうせ僕が勝つと余裕な彼に対し、ヒロインは本気の様子。

 

別の日、出版社にいるヒロインに舘山から電話が。頼まれていた絵を描いたから今日中に渡せそう、指定した場所で待ち合わせしようという話に。待ち合わせの時間は5時のはずが、舘山が現れたのは8時。原稿なんてない、ヒロインを試したと言います。担当を外れたいかと聞き、これは嫌がらせでは。腹は立つけど信じると言ったから引けない、とヒロイン強気です。行きつけのバーにヒロインを誘い、お詫びにおごると言う彼。

 

また別の日、仕事で人と会うストレスを愚痴る舘山と喫茶店にいるヒロイン。大量に甘いものを頼む舘山に驚きです。酒も好きだけど甘いものも大好きとのことで、おすすめの他の店のメニューについて話したりと楽しそう。ヒロインが甘味処に勤めるのが夢だったと言うと、僕もそうだったという言葉が。故郷ではりんごが名物で母親がよく剝いてくれた、兄弟がたくさんいるとプライベートの話を聞くことに。その後も楽しそうに話す舘山、好物を食べているのもあるにせよ、だんだんヒロインに気を許してきているような。

 

それから二週間後、久しぶりに舘山と再会するヒロイン。描けなくなると蒸発する癖があり、ヒロインは彼をずっと探していたのでした。ヒロインが舘山の故郷を訪ねたと話すと、彼の様子がおかしくなります。過去を知られたと動揺し、何故か突然ヒロインに無理矢理キスする舘山。八つ当たり的にヒロインを襲い、何があったのか尋ねても聞く耳を持ちません。どうせ君も裏切るんだろうと、過去を思い出して傷ついているかのような。

 

その後、ヒロインが舘山の家を訪ね驚かれることに。理不尽に犯されてもやって来たヒロインにキレ気味の舘山。放っておけないと言うヒロイン、心が広すぎないか。観念した舘山は、過去について語り出します。いい家柄ながら自分は末っ子で兄や姉にいじめられていた、優しかったのは母だけだったと言う彼。舘山の人間不信の理由は子ども時代にあり、ずっとこじらせていたのでした。今までさんざん振り回し、襲っても自分を見捨てなかったヒロインに心を許す舘山、ヒロインを抱きます。

 

癖のある一筋縄ではいかない男とのやり取りとエロを描いた作品でした。途中襲われるシーンを挟みつつ日常のやり取りや心理描写中心に進み、最後にドンと濡れ場がある流れ。男性キャラクターの人間不信の理由は想像がつく内容で、特に意外性はなく。どうせ君も裏切るんだとか、こじらせてて子どもっぽい印象を受けてしまいました。子どもっぽさをかわいそうと感じるかどうかが分かれ道かと思います。少し昔の設定が効いていて、甘味処での会話や現代とは違う言葉、街のSEとムードたっぷり。ずっと冷たかったのに対して、結ばれると熱心に抱かれるのがおいしいです。告白、セックスとなり、最初から孕ませようとしてるのがおかしくて。冷めているようで、本音では拠り所が欲しかったんだろうなあと。育ちのいい作家のセリフと、上品な河村さんのしゃべりがよく合っていました。