偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

宵闇淫烙(CV:椎名春斗)

サークル夜市発、平安時代的な世界観で、中流貴族の娘が見知らぬ男に何度も夜這いをかけられるDL作品。

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ヒロインは中級貴族の令嬢で、長く想っていた男性から文をもらい喜んでいました。返信の文を書き、後は使いの者に届けてもらうだけ。月が美しい夜、気持ちの高ぶりで眠れないヒロインは、舞の練習をすることに。舞った後、寝所で布団に入り眠りにつくヒロイン。そんな彼女の姿を見かけた人物がいました。布団に入ったヒロインに馬乗りになる男が、ねっとりと気だるげな声で起きろと声を掛けます。舞っていたヒロインを見て興味を持ち、夜這いに来たとかいきなりすぎる。作法としては何度か手紙のやり取りをして、お互いの気持ちを確認してから男が夜這いする流れのはずが、何もかもすっ飛ばしています。というか不法侵入では。警備のの者は男の姿を見てあっさり通したとか、男は身分が高い者のよう。

 

おしゃべりをしに来たんじゃない、夜這いをしに来たんだと男が言うと、女は抵抗、そういうのも嫌いじゃないと力づくでヒロインを抱こうとします。両手首を片手で抑えられ、動きを封じられることに。ヒロインが処女と知ると面白がり抵抗は止めるなよと、嗜虐趣味の持ち主のよう。とは言えいきなりつっこむことはせず、女の体に触れ反応を愉しむ男。嫌がりつつ反応してしまうヒロインを挑発、未通なのに自分で触っているのかと嗤う男。女が達するところまでして本番に及ぶことに。女の出血を珍しげに観察、今どんな感じか聞き、具合が良くないから女を感じさせようと口づけされます。事後なかなかいい肉だったぞ、夜更けに舞の練習をしなければ俺に見つかることはなかっただろうに、と自分から仕掛けておいてなんだか他人事。枕元にある返信の文を読み、ヒロインに想い人がいることを知る男。文を出せよと促し、そのくせまた明日の晩も抱きに来る、と言い何を考えているのかよく分かりません。ヒロインを気に入ったようですが、好きな相手がいてもおかまいなしで、むしろ面白がってるとかまともではない様子。

 

後日、予告通り再びヒロインを抱きに男がやって来ます。男に不法侵入されたと親に訴えたものの、聞いてもらえなかったと女は告げます。男の家の方が身分が高いらしく親や周囲の者からは見て見ぬふりをされ、男の侵入を拒否出来ないとかあんまりな状況。男は自らの下半身に奉仕するよう命令、渋々奉仕することに。ヒロインの奉仕をつたないと言いつつ、想い人が別にいる女に仕込むのを面白がるとか相当性格悪いです。達するまでして褒美をくれてやる、と男は女に奉仕。想い人にも奉仕してやったらいいとか、このタイミングで言うか。襲っているのは男の方なのに、欲しいと自分から言えと命令したり言動がめちゃくちゃです。女の反応を実況して焦らしたり、こんなに激しく乱れる女ははじめてとか言いたい放題。

 

貴族の娘の恋が実りそうなタイミングで、乱暴な男に目をつけられいきなり夜這いされ、運命の歯車が狂っていくことに。罵ったり挑発したりと、すごく上から目線だけど女への奉仕は厭わない、女の想い人について独自で聞き込みをしたりと不可解な男の人物像に翻弄されます。しばらく日数を空けやって来て、女を抱くも今までと違い男の方も深く強い快感を得ていて風向きが変わった?という反応に。最初と二度目は無理矢理かつ強引だったのに対して、三度目は女も気持ち良くなっているか気にするのは、男の内面が変化したからなのか。

 

最初の夜の行いや言動を聞いていると、明らかに歪んでいて危ない男なのが見て取れるのですが、異常な執着心を椎名さんの声で囁かれると溶かされてしまうという。執拗な抱き方と口説きで惑わし、かと思うとしばらく姿を現さなかったり、と押したり引いたりとやり方を熟知している印象。尊大で身勝手だけど人の感情が想像出来て、コントロールしてくるのがタチ悪いです。関わらない方がいいのは分かってるけど、本気で拒絶出来ない、それを男が嗅ぎ取りつけこんでくる泥沼状態。このままではいけないと思いつつ、男の魔性に抗えず呑まれてしまうありさまを聞くことに。 

 

登場人物に名前はなくただ男、女と表記されているだけの今作。男の言葉を聞いても、男の本音も女の内心もはっきりとは想像出来ず。古風な言葉や独特の言い回しを椎名さんの怪しく中毒性ある声で囁かれ、思考力が落ちてしまう感じです。強引なようで判断を女に委ねたり、全て相手のせいに出来ないやり方が狡猾で、いつの間にか術にかかっているかのような。尋常ではない執着心を向けられ、好かれてると思いたくなるも、男の内面が歪んでいて信じることが出来ないもどかしさ。出会ったことが不幸のはじまりで、かと言って関わってしまうと拒否出来なくなる、そばにいると触れて欲しいと望んでしまう、そのあらわれがあの結末なのかなと思いました。

 

サークル夜市さんの作品はいくつか聞いていますが、今回はいつもと違う感触でした。他作品だと過程ややり取りがしっかり描かれ、濡れ場は終盤に来る印象だったのが、今回は1トラック目序盤から。キャラクター像もべらんめえ口調で尊大、常人とは異なる思考の持ち主で翻弄されました。俺様系でも椎名さんが演じると気だるく怪しく色気溢れるしゃべりで、不可解さが増して謎めいていました。男が何を思っているのか知りたくて聞いていると、リスナーであるこちらも堕とされる流れと演技があまりにも絶妙です。