偏愛シチュエーション

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東京四角形-辻ヶ花サーガ-Scene:2角筈祐輝(CV.広山和重)

東京四角形-辻ヶ花サーガ-Scene:2角筈祐輝(CV.広山和重)

花鏡発、東京の辻ヶ花という架空の街を舞台に繰り広げられるシリーズ第二弾。今回は第一弾の主人公、探偵・羽沢光弘(はざわ・みつひろ)の小学校時代の友人角筈祐輝(つのはず・ゆうき)のターンで、声は広山和重さん。
長野の山村に住む角筈とヒロインは婚約中で、結婚間近。角筈が生まれ育った東京の辻ヶ花町を観光するため、一泊二日の予定で上京した二人。辻ヶ花町は巨大ターミナル駅の近くにあるにも関わらず、都市開発からまぬがれている未だに昭和の面影を残す街。角筈は中学生の頃、長野の村に山村留学し辻ヶ花町を離れ、勤め先の社長の娘であるヒロインに惚れ込み、プロポーズしてOKをもらったのでした。

 

二人で街を歩いていると、角筈にぶつかってくる人物がいました。彼は角筈の友人羽沢光弘で、声を掛けるも走り去ってしまいます。直後、複数の男が走ってきて、目の前を通り過ぎていきます。どうやら羽沢は男達に追われているようで、探偵の仕事でトラブルがあったのではと心配する角筈。単独で羽沢を追おうする彼に、ヒロインは同行を希望。仕方なくヒロインを連れ追跡することに。羽沢を探すものの彼の姿は見つけられず。警察に通報すればと言うヒロインに、羽沢の迷惑になるかもしれないからそれは避けたいと言う角筈。その時、彼のバッグから見知らぬUSBメモリが転げ落ちます。これを入れたのはおそらく羽沢で、彼が自分に託したのではと角筈は考えを巡らせます。辻ヶ花町にめったに帰らない羽沢が何故ここにいたのか。二人の共通の友人で、辻ヶ花町在住の上槇(かんまき)にこれを渡しに来たのでは、と角筈は推測。取り合えず、近くにある上槇の家に行くことに。

 


上槇の家の近くに行くと、複数の男達が乗り付けた車の中から出てくる場面に出くわします。羽沢を追いかけ回していたのはお前らかと問いかける角筈に、逆に情報を持っているのかと問う男達。背後のヒロインに手を出そうとする敵を、空手有段者の角筈が殴って気絶させます。また別の車が現れ、現れた男達と先程と同じ問答をすることに。角筈は交換条件を提示、羽沢の居場所を聞き出そうとしますが、相手は聞く耳を持たず襲い掛かってきます。ナイフを手にした敵もあっさり撃退しますが、また仲間が現れたまらず逃走する角筈とヒロイン。

 

逃げたものの行き止まりで敵と遭遇、追手は三人で一人はスタンガン所持と窮地に立たされてしまいます。さすがに無理かと思いきや、ヒロインが落ちていた傘でスタンガンを持った男を襲撃、残りの二人も角筈の手であっさり地面に転がることに。聞くとヒロインは剣道有段者とのことで、角筈の後ろで攻撃の機会をうかがっていた様子。人数の多さに逃げはしたものの、向かってきた敵は全て殴り倒したとか戦闘力高すぎます。ここでも敵から羽沢の居場所を聞き出そうとしますが、答える気配はないため殴って気絶させるのがあまりにもワイルド。敵を怖がるどころか俺らがやりすぎてヤバイことになるとか、会話が異次元過ぎてついていけません。

 

なんとか敵の追跡を振り切り近くのネットカフェに入店、パソコンを使いメモリの中身を見る二人。メモリの中身は登記簿の写真でした。書かれた住所は上槇が住んでいるあたりで、土地の持ち主に五條タツヤの名前が。五條はこれまた、小学校時代の友人だったのです。角筈の想像通り、羽沢は探偵の仕事として上槇から依頼を受けていたことが判明します。
メモリを調べていくと五條と追手の男達が繋がっているらしいこと、上槇が住む土地を五條が奪おうとしている情報を目にすることに。五條と上槇は親友なのに何故、とつぶやく角筈。上槇は染め物の仕事をしていて、水が非常に重要であることを知っているはずが、五條が土地を奪おうとする不可解さに困惑している様子。そんな折、羽沢から電話が。羽沢は巻き込んでしまったことを謝罪、角筈は追手を撒くため長野の自分の家まで行けと指示。さらにメモリを上槇に届けることを約束します。巻き込まれた側なのに羽沢をかくまう手配をし、敵を警戒しつつ自分も動くとか機転の良さと度量の広さが驚異的です。二人はメモリを届けるべく、再度上槇の家に向かうことに。

 


全四巻のうちの二巻で半分まで来ましたが、謎解きの進展はあまりなく一巻を補完する内容の今巻。第一巻ではよく分からなかった、同級生仲間の人間関係が見えてきます。小学校時代の友人関係の割に絆の強さが疑問だったのですが、辻ヶ花町の小学校は小さく一学年十人程度だったとのこと。キャラクターの記憶や印象の強さに、ようやく納得しました。羽沢と角筈、上槇、五條と事件に絡む男達の関係性、彼らと恋愛関係になると思われる各巻のヒロインの存在も見えてきました。羽沢と角筈が町を出た人達なのに対して、上槇と五條は辻ヶ花在住、もしくは近くにいる人達。次巻以降で核心に迫る展開になるのかなと。誰とでもすぐ仲良くなる青年が主人公で、彼の口から語られるキャラクターの情報、もとい裏設定が面白かったです。羽沢は頭がいいけど走りが遅いとか、一巻を聞き直すと気づきがいくつも出てきました。今回もとても情報量が多く、恋愛やエロは二の次。ヒロイン大好きな角筈ののろけを聞きつつ、事件中心に話が進行します。

 


明るく前向きで腕っぷしが強く、行動力が高い青年を広山さんが熱演されています。中学時代のエピソードや、山村留学した理由やヒロインとの出会いと、ありとあらゆることが繋がっていてキャラクター像に説得力がありました。彼も羽沢同様べらんめえ口調ですが、羽沢は色っぽい魁皇楽さんの演技もあって、文系でロマンチストの印象。対して角筈は空手有段者で躊躇せず敵を殴打、長野の村で世界一のチェーンソー職人を目指している設定でガチの匂いがしました(笑)。



何度も敵と戦って追跡されたりと大変な目に遭っているはずが、想像を超える武闘派カップルで結構あっさり解決した印象。襲いかかって来た敵は全て撃退、友人の家に届け物をした後は東京観光に戻るとか、メンタルの強さや体力有り余ってる感が常人離れしてます。事件があった夜にホテルにチェックインし、ヒロインをガンガン攻めるとか普通じゃないからね。今回は少年マンガの武闘派カップルのごとく無敵の人達で、キャラクターにも翻弄されました。