偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

(BLCD)スウィートデリバリーボーイ(CV:加藤将之、鈴木裕斗)

【Amazon.co.jp限定】スウィートデリバリーボーイ【特典CD付】

注意:BLCDの感想記事です。苦手な方はスルーお願いします。

PING HOLE発のBLCD「スウィートデリバリーボーイ」。出演は加藤将之さんと鈴木裕斗さんで、脚本は滝宮那智さん。最初に書いておくと、私はキャスト買いで購入したBLCDを数枚聞いた程度で、この界隈は無知です。BL好きの方からすると、違うと思うところがあるかと思います。ドラマCD好きによる感想と思って見ていただけたら幸いです。

 

加藤さん演じる槙野陽平(まきの・ようへい)は、建築設計事務所に勤めるサラリーマン。特定の恋人はなく、時々ゲイ向けの風俗店を利用しています。ある日槙野は男性専用デリバリーホストを利用、そこから派遣されてきたのは鈴木さん演じるセイと名乗る少年。槙野の家を訪れてすぐ「NGはないのであなたの好きにしてください」と行為を促します。槙野はいきなりなセイの発言に苦笑しつつ、シャワーの後二人でベッドへ。おずおずと低姿勢で不慣れな様子のセイに接し、これが入店初日の仕事であることを知ります。槙野の方が客なのですが、年長者なのもあってこなれ感があります。加藤さん演じる槙野の余裕ある、おどけたり褒めたりのしゃべりがとてもナチュラル。事後セイを気に入った槙野は名刺を受け取り、心配しつつ興味を持った彼のことを指名するように。真面目かつ従順で素直なセイと、大人で優しく穏やかな槙野はお互い惹かれ合い、客とホストの関係ながらいい雰囲気に。食事に誘う槙野にセイは自分の連絡先を教え、個人でも連絡を取る仲になります。

 

その後、槙野は仕事が忙しくセイのことを指名せず、会えないまま日々が過ぎていきます。ある日、電話でセイの疲れた様子の声を聞き心配する槙野。そんな中、夜遅く帰宅した槙野は家の前で雨に打たれ、ずぶ濡れになったセイを見つけ彼を家に招き入れます。セイは入浴の準備をする槙野の前で服を脱ぐことを拒みます。仕方なく服を脱ぐセイ、彼の身体は傷だらけになっていた―。

セイの身の上話が重く痛々しいです。セイをひどい目に遭わせた相手に一矢報いたり大きな出来事が起こるということはなく、二人の関係と心情中心に話が進みます。セイの過去を知った槙野の反応は常識的かつ労わりあるもので、激情にかられて行動したりセイに辛く当たったりする展開はなし。深刻な作風になりそうなところを極端に走らず、作中で出てきた事柄が上手く活きていました。

 

今作の企画とプロットはメーカー、脚本が滝宮那智さん。滝宮さん脚本の作品は18推で聞いていますが、コメディもシリアスも書けるライターさん。甘々した方向にもハードな方向にも行かないニュートラルな作風で、この界隈では珍しいタイプの印象でした。わざとらしくない丁寧な脚本が良かったです。ちょっとした会話が良く、演者さんの自然な演技と相まっていい作品だなと思いました。