2020年は19年以上に同人音声に触れた一年でした。商業CD36枚に対して、同人音声は96本（うち9本は無料作品）で合計132作品。2019年購入した128作品のうち商業が54枚、同人が74本で合計128作品とトータルはほぼ同じですが、同人音声が占める割合が増えました。ここでは管理人が、2020年聞いて良かった同人音声を紹介していきます。
１位 遠距離＆近距離あまとろエッチ（CV:一条ひらめ）monoBlue
タイトル通り遠距離含む、お付き合いとエロを描いた甘々系作品。告白直後のエッチ、遠距離中の電話での指示やビデオ通話での見せ合い、再会エッチとエロ盛りだくさんのあま～い話。エロ特化だけど会話がとても多く、彼女に尽くして相手が喜ぶのが好きとか、こんな彼氏が欲しいと思うキャラクターが絶妙。会話がとても日常的で、誰でも楽しめる万人向けの作品。
２位 淫魔のいる生活、淫魔のいる生活～スイとその後～ （CV:一条ひらめ）monoBlue
期間限定で無料配信されていたスイ編第一弾と、その続編。淫魔ものというと商業だとひたすらエロいことして３Pするイメージが強かったのですが、この作品でイメージが覆りました。ヒロインの眠りの質を上げるべく、スイが癒しのリラクゼーションをしてくれたり夢の中でエッチしたり、体だけでなく心も癒してくれます。第二弾では彼氏のような存在になっていて、こんなに尽くしてもらっていいのかという気分になりました。経験豊富だけど恋愛経験はない淫魔とか、エロと恋のときめき両方味わえる作りが美味しすぎます。
３位 元ホスト、イメクラで働く（CV:一条ひらめ）monoBlue
タイトル通り、元ホストが借金返済のためイメクラで働く作品。ホスト時代同様、強引にエッチして稼ぐつもりがはじめての客は台本、衣装持ち込みで変にこだわり強い女子で思惑が狂っていくことに。客もとい監督は毎回無茶ぶり、妙な流れで自慰させたり、全く現実的でない設定の役になり切って演技することを求めたりと散々。ヘンテコな設定に盛大にツッコミを入れつつだんだん乗り気になっていき、関係性にも変化が。漫才のような勢いあるトークと、甘々エッチ両方楽しめてお得。個性的なヒロイン像にも注目です。異性に物怖じしない、性知識やテクニックが豊富、恋愛に夢見ない女子とヒロインの影が強すぎます。女性優位なシーンもありますが、女王様然とした振るまいではなく、おもしれー女といった感じで存在感が突き抜けていました。
４位 下級淫魔のいる生活～イクとイク～（CV: 一条ひらめ）monoBlue
淫魔シリーズの新作で、下級淫魔の少年二人が相手の３Ｐもの。なかなか食事にありつけない淫魔二人が悪夢にうなされるヒロインの夢に入り込み、最初はエッチだけだったはずがどんどん惹かれていくことに。こちらのサークルさんの淫魔ものらしくエロと癒し両方あり、お姉さんと慕われ年下好きじゃなくても刺さる萌えと若さがすごかったです。対照的なＷ淫魔の掛け合い、笑いありストーリー性ありと死角のない作品作りに持っていかれました。
５位 ピンク監禁～敵の科学者幹部に捕らわれた戦隊ピンク～（CV:彩和矢）Under Rain
ヒロインは変身ヒーローで戦隊の紅一点、ピンクという設定。敵の科学者幹部に捕らわれ、全身を調べられてしまう作品です。ピンクが変身後まとう不思議なスーツの秘密を調べるため体を触ったり、仲間の居場所を吐かせるべく襲ったりしているうちに双方の内面に変化が。尋問のための凌辱ながら観察眼に優れ、淡々とした低温のドクターのしゃべりに本心を見透かされどんどん虜になっていきます。暴力や隠語罵倒、過激なプレイなし、表情少なめのしゃべりが誠実に聞こえるという奇跡のバランス。ロングセールスを記録していて、当ブログで記事をよく見ていただいている作品でもあります。
６位 ベッドの下に誰かいる。１（CV:最妙）
ベッドの下に誰かいる。２（CV:久賀しゅーいん）ICECRYSTAL
ヒロインのベッドの下に潜む誰かとの接触を描いたシリーズ。数日ベッドの下に潜んでいたストーカーや男友達が、ヒロインの寝込みを襲う一部始終を聞けます。ジャケ絵や設定はホラーですが、奉仕が執拗でカップルの寝たふりエッチに聞こえるから不思議。変態で間違ってるけど、ヒロインへの執着や溺愛がすごいです。１と２の攻め方や関係性の違いも聞きどころ。第三弾、一作目の最妙さんの無料音声のリリースも告知されていて、目が離せないシリーズです。
７位 華宴は夜更けに君と二人で（CV:ysd./鷹取レイジ）Roseli Plus
何故か昭和初期にタイムスリップしてしまったＯＬが、エロカフェでメイドとして働く話。店ではじめてついた客は流行画家で、絵を描いてもらうことに。彼専属のモデルになり、惹かれていく様子を聞くことが出来ます。ysd.さん演じる画家がアダルトかつ男らしい声で余裕たっぷりかと思いきや、独占欲が強く子どもっぽかったりとふり幅ある人物像に翻弄されます。タイムスリップで街の様子が変わるさまをＳＥだけで表現したり、モブの声を加工してコミカルさを出したりと音のこだわりがすごかった。タイムスリップや昭和初期設定が効いていて、ラストへのつなぎ方があまりにもきれいで上手い構成にうなりました。
８位 愛玩調教～恥辱の慰み者～（CV:胸板鉄板ミート）ストロベリィシュシュ
怪しい見世物小屋で色事の芸をして生きる男女の物語で、残酷な描写ありの純愛作品。胸板鉄板ミートさんの落語のようなべらんめえ口調が、時代物を彷彿とさせる言葉と相まって非常にムードがありました。したたかで聡明、激しくももろく危うい男性キャラクターが鮮烈。貧しさや世間の厳しさに翻弄され、底辺の生活を強いられる二人の行く末は。正論や常識が通用しない残酷な世界でもがく二人がまぶしく、幸せになってくれと思いました。
９位 田舎令嬢はチョロデレ王子のHな求婚を立場上お断りできません。（CV: 一条ひらめ、宮司道章造）禁断りんご
ロングセールスを誇るメンデレシリーズ第二弾でヒロインは田舎令嬢、宮司道章造さん演じる第二王子ダンデがメイン。プラスひらめさん演じるレグルスと、一作目ヒロインの結婚式のエピソードあり。色男のレグルスとは異なり、堂々と雄々しく非常に男らしいダンデのキャラクターが楽しめます。ダンデの活舌がいい濡れ場での実況、兄弟の掛け合いとコメディ色強め。メンデレシリーズ本編は第三弾でいったん完結、ゲームのリリースが控えていたりと今後の動きにも注目です。
１０位 悪魔召喚したらオナクラDTDK（男子高校生）が絶倫イケメン淫魔になった件（CV:一夜愛、小池竹蔵）禁断りんご
ヒロインが願いを叶えるため悪魔召喚したら、気になっていたクラスメートの男子が何故か淫魔になってしまう内容。淫魔が二人に分裂、触手も使われ同時に襲われる異次元エロが展開されとんでもないことに。１８禁要素ありの少年マンガのような作風で異色作です。キャスト一人で複数キャラクターでの出演、音声作品では規格外な設定の細かさと複雑さ、コメディとシリアスの温度差の激しさと、禁断りんご作品の魅力はここでも健在。特典のラジオ番組一本分ある、一夜愛さんと小池竹蔵さんの爆笑トークも必聴です。
１１位 援交男子とぐちゃぐちゃになるまで愛し愛された話（CV:麻生修也）ココロリウム
援助交際をしている男子高校生とネットで知り合い、やり取りする作品。オラオラ攻められて快楽堕ちしそうな印象のタイトルですが、すごい純愛作品でした。ネットで一夜限りの相手を探していたヒロインが、援交の募集をしている高校生りょうとコンタクトを取ったのがはじまり。援交を止めさせるべく、彼を買い取ることに。りょうのまとまらない言葉で、たくさんしゃべる不安定な姿が痛々しくリアルでした。複数の大人と関係を持ってきた彼は内面の動きや相手の目的に敏感で、利用や依存では繋がりたくないという言葉がまぶしかったです。より作品の世界が広がる付属の動画も必見。
１２位 例えばこんな出逢い方-select東文寺志乃-（CV:椎名春人）サークル夜市
2017年の辰巳令編以来の同シリーズの新作。AV俳優が相手だった第一弾とは異なり、今回は気難しく未経験のアラサー作家で作風はコメディ寄り。売れっ子ながら恋愛描写が苦手な作家相手に、新人作家でアシスタントであるヒロインが疑似デートする内容。付き合うまでエロはなしで、乙女系らしい流れのはずが作家のこじらせたしゃべりが面白過ぎ。５０分超えの特典の後日談が実質第二部で、言葉と奉仕でなぶられる文系のセックスがめっちゃエロい。気だるく色っぽい、中毒性がある声の椎名春人さんの真骨頂が聞けます。
商業もそうでしたが、同人音声もかなり偏ったセレクトになりました。12本と中途半端な数なのは、単純に絞れなかったからです。はい、1位から4位まで一条ひらめさん、monoBlueの作品が独占してますね。分かりやすすぎて気恥ずかしいですが、今年はよくひらめさんの出演作の記事を書いていました。monoBlueさんの女子の萌えを凝縮かのような作品作りが魅力的なのは言うまでもないですが、音声作品としても絶妙な匙加減だと思うんです。ストーリー性が高い作品が好きだけど内容が衝撃的で難しかったり、キャラクターがあまりに濃いと聞くのに気力と集中力が必要でリピしにくかったりします。monoBlueの作品は声やしゃべりが心地良く、会話やキャラクターが楽しい、考えなくてもすんなり聞ける、と音声作品として非常に聞きやすくリピしたくなる。ここで挙げた作品どれも素晴らしいのですが、リピしたくなる作品としてmonoBlue作品を上位にしました。
2020年同人音声を多く浴び記事を書き続けた結果、同人への興味と関心が高まり、逆に商業への気持ちが落ち着くという現象が起こりました。比例しなかった。どちらも音声作品であることに変わりはないのですが、同人を多く聞いていると違いが浮かび上がってきたというか。同人音声はサークルや作品ごとのカラーが強みであり、魅力だと思います。商業ではあまり意識しない、作り手の好みやルーツを感じられるのが興味深かったです。男性向け寄り、異世界ファンタジー、時代物やホラーなどサークルごとの得意分野を感じました。
エロ特化の作品が多い印象ですが、逆に度数の高い純愛作品、エロより癒し多めの作品などふり幅の広さに驚きました。尺の制限がないことも大きいと思いますが、作り手のこだわりや好みが反映された作品作りに興味が尽きません。音声作品の可能性を信じることが出来たし、作り手の情熱が必要不可欠なことを再認識しました。
