偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

Rouge et Noir Show Down 情報屋 柏木セナ(CV:四ツ谷サイダー)

Rouge et Noir Show Down 情報屋 柏木セナ(CV.四ツ谷サイダー)

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ルジュノワセカンドシーズン第五弾にして最終巻。前巻の課長のエピソードの後すぐの物語です。課長のエスにしてヒロインをリエゾン(連絡員)とする、天才ハッカーセナのターンです。
マトリであるヒロインは捜査一課との合同捜査のため、霞朝市内のショッピングモールへ潜入。麻薬の密売人や薬物中毒者の溜まり場と治安の悪い場所で、セナは離れたところからヒロインを援護。セナはショッピングモール内の電気系統を操作し敵を足止め、ヒロインは犯人を追い詰めるという見事な連係プレー。ヒロイン一人で犯人を攻撃し確保するとか、こちらのヒロインも力強いです。



前巻で黄龍会の会長が逮捕されるも会長一人の証言のみでは信憑性に欠け、公安やヘルメスメディカルグループは黄龍会との癒着を否定しており、事件の解明は進んでいない様子。ヒロインはボスの指示で病院に出向き、患者について調べて欲しいとセナを呼び出します。病室にいたのは外国人の少女。ショッピングモールの捜査で逮捕、保護された少女なのですが、一般人にしては警護が手厚く訳ありのよう。少女はカジノ・ポートクラブのチップを持っていて、かつルージュエノワールを飲んでいました。ドレスコードがあるポートクラブに貧しい少女がいたのはおかしい、監禁され薬を飲まされていたのではと、公営カジノのはずがかなり怪しい空気。ポートクラブ内の裏カジノの存在は確定しているものの、強制立入は許可されていないという身動きの取れなさ。セナは秘密兵器を使うと言い、ドレスアップしてヒロインとポートクラブに客として行くことに。

 

セナの秘密兵器は、少女が持っていたポートクラブのチップのICタグだと言います。ICタグにコモディン(セナが開発したコンピュータウィルス)を忍び込ませたとのこと。これでカジノ内部の状況を探ろうという作戦です。セナはポーカーに興じることに。かなりポーカーが強いセナにヒロインは驚きますが、場に出たカードを覚えて確率を計算すればいいとか、さらっと天才発言。最後に一人残った青年と一騎打ちすることに。セナは青年に勝利、ゲームはそこで終了しカジノを後にします。
家に戻りセナはコモディンを使い、ポートクラブ内の防犯カメラの映像を調べることに。ところどころ日付が飛んでいる箇所がある、復元して確認すると言う彼。ヒロインは少女の様子を見るため、再度病院へ。セナから裏カジノと思われる地下フロアの映像が送られてきて、それを少女に見せて知っている人物がいないか尋ねます。映像に映っていたのはやり手の青年実業家にして大物政治家の息子、サイレンジタクミ(西連寺か西蓮寺と書くと思われます)でした。少女は西蓮寺に面識が。少女は裏カジノの景品で、西蓮寺はルージュエノワールを使ってキメセクしていたというのです。少女は証拠品のチップを持ち出し、ショッピングモールに逃げ込んだところを確保されたのでした。



後日セナは防犯カメラの映像の復元に成功、ヒロインと病院で話をすることに。復元した映像は、おもに最上階のVIPエリアのものでした。VIPエリアに出入りしていたのは政治家や経営者など、政財界で影響力がある者やその関係者と大物揃い。消された監視カメラの映像と、専用チップの交換時間を照らし合わせ、セナは答えを導き出します。ポートクラブとは、脱税や収賄で得たダーティマネーの洗浄―マネーロンダリング資金洗浄)をする場ではないのか。さらにポートクラブ自体、公安やヘルメスメディカルグループの関係者が運営していることを突き止めたと言います。ポートクラブは公安上層部やヘルメスメディカルグループの支配下にあり、公営カジノということになっているものの、実際は全くクリーンではないことが想像出来ます。そこに乾いた拍手の音が聞こえ、セナは現れた青年に声を掛けます。彼はポートクラブで、セナとポーカーの一騎打ちをした青年でした。



最初はお見舞いですかとおどけつつ、セナは青年に「君、ゼロですね?」と切り込みます。ゼロとは公安のエリートで、セナの口止めをしに来た様子。青年は得た情報をこちらに渡すようセナに要求、セナは皮肉を口にしつつ拒否。セナは強硬手段に訴えるなら、得た情報をダークウェブに流すと脅しをかけます。セナはデータを渡す取引条件を二つ告げます。ひとつは西蓮寺タクミの逮捕を妨害しないこと、もうひとつは黄龍会と公安、ヘルメスメディカルグループの癒着の決定的な証拠を出すこと。ゼロの青年はトキトウ(時任かと思われます)と名乗り、セナは一週間後にまたここで取引する約束を取り付けます。



頭脳戦、銃撃戦込みの逃走劇、ヒロインとの愛とエロと今回も聞きどころ満載です。感想記事というか、今回も私は記録係に徹していました。テープ起こしかな。とにかく難しい。大抵のシチュエーションCDは恋愛やエロ中心で「考えるな、感じろ」のスタンスで聞くジャンルかと思うのですが、ルジュノワはとても情報量が多いシリーズ。通常なら活字で説明される情報が、キャラクターの口から早口で語られるスタイル。さながら「考えつつ感じろ」な聞き方を要求されている気分。メモを取りつつ聞いて、聞きながらパソコン打ってと忙しい、とにかく難しい(二度目)。ざっくり書けばいいんだろうけど、ざっくりとはどのへんまでなのかという疑問。作業しながら、おなかが痛くなりました(マジ)。セナと御門先生がいかに天才か、よく分かりました(知ってた)。

公式特典「Side Rouge ―Case of Senna―」を聞きました。セナが家に戻ると、敵に捕まり人質にされたヒロインが。敵はデータをよこせとセナに命令、ヒロインはセカンドバレルとストラテジーを飲まされてしまいます。たまらずセナはデータを敵に渡すことに。ヒロインだけを苦しませないと、敵が残していったセカンドバレルを自ら飲むセナ。二度もルージュエノワールをヒロインに飲ませてしまったことを懺悔しつつ、今まで口にしなかった本音を明かします。敵と頭脳と口才で渡り合う天才ハッカーながら、セナはずっとヒロインに劣等感を抱いていました。薬物に依存していた過去への後悔、恋人であるヒロインをずっとまぶしく感じていたことを告白。勇敢で直接敵と戦うヒロインは、セナにとって高潔な存在。彼女を誇りに思いつつ、同時に自分の欠点をも刺激されていたのでした。ヒロインを引きずり下ろし汚したい、という暗い願望が暴露されます。乱暴になったり悲しんだり卑屈になったりと、サイダーさんの演技も極限。身も心もぐちゃぐちゃに、壊れていく濡れ場が非常に濃厚で圧巻でした。