偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

花の嫁入り -甘酒奇譚 白蛇録- (CV: 河村眞人)

花の嫁入り -甘酒奇譚 白蛇録- / 河村眞人 

アイリスクォーツ発異類婚姻がテーマのシリーズ第二弾。今回のお相手は白蛇(!)で、甘酒が鍵を握る現代ものと意外な組み合わせ。声は河村眞人さん。
ヒロインとジュエリーデザイナーの棗芽(なつめ)は婚約中。同棲はしておらず、棗芽の部屋で二人で過ごしています。結婚式を控え、指輪やティアラのデザインを棗芽がしてくれたり、式場選びと順調にいっているように見えます。何もかもがうまくいっているはずが、棗芽はどこか不安げな様子。「君は僕に言えない秘密ってある?」という言葉が。「僕が宇宙人だったとしても、変わらずに愛してくれる?」と突拍子もない質問をされます。ヒロインはどんな棗芽でも愛してると言います。ヒロインは棗芽に抱かれることに。普段は飲ませてもらえない、棗芽がよく飲んでいる甘酒をヒロインも口にします。これはただの酒ではない、神様のお酒と告げる棗芽。これを飲むと別の世界に行けると、不思議なことを言われます。ヒロインは棗芽に抱かれつつ酒に酔い、眠りにつきます。

 

ヒロインが目を覚ますと、そこは知らない場所でした。傍らに棗芽がいて、彼もヒロインも浴衣姿。ここは別の世界で、僕にとってはふるさとと言う棗芽。祭囃子が聞こえ、近くでお祭りをしているよう。縁日を見るため近付くと、浴衣を着て歩いているのは人ではないのが分かります。猫や狐、狸が人間に中途半端に化けた姿だと言います。縁日を回りたいというヒロインの言葉で、祭りを見に行くことに。そこにも甘酒があり、二人は酒を口にします。部屋で飲んだ酒より濃いもので、この酒がないともののけは化けることが出来ないと棗芽は言います。帰ることになり、ヒロインは選ばれた者しか入れないという鳥居の内側に入ってしまいます。追いかけてきた棗芽は「棗芽がついに女のエサを連れて来た」と妙なことを口にします。更に棗芽がエサを連れてこないから他のもので満たしてあげないと、という言葉が。様子がおかしいと感じるヒロインの口をキスで塞ぎます。千年前ここは白蛇の神様と、もののけたちの森だったと言います。そこに陰陽師の若者が乗り込んできて神殺しの儀式をし、鳥居に結界を張りました。瀕死の白蛇は、エネルギーを集めるため尸童(よりまし)の人間を作ったと言います。効率的に人間を狩るため、よりましは多くの才能を与えられているとのこと。棗芽は十二代目なのに全然人間を連れてこない、神様は飢え死に寸前だそう。今まで知らなかった事実を知り、怯えるヒロインを棗芽はなだめます。棗芽は白蛇のよりましで、エサとなる人間を連れてくるのが役目と告げます。棗芽が不安がっていたのは自分の正体を知ったらヒロインはどう思うのか、巻き込むことを恐れていたからでした。白蛇と会うか選んでと言う棗芽。ヒロインは、社の中の白蛇の神様に会う決心をします。

 

社の中には白い大蛇がいました。白蛇は棗芽と感覚を共有していて、ずっとヒロインのことを見ていたと言います。白蛇にとってもヒロインはただのエサではなく、恋焦がれる相手になっていたのでした。ヒロインは甘酒を飲み、棗芽と白蛇に抱かれます。同じ声の棗芽と白蛇に攻められ、実質3P状態に。白蛇はヒロインに拒絶されないか気にしますが、ヒロインは白蛇のことも受け入れ最後まで抱かれます。事後、今までずっと明けることがなかったという夜空が明け、世界は朝を迎えることに。白蛇がヒロインを抱いたことで力が戻り、結界が解けたのです。力を取り戻し結界を解く方法は人と愛し合うことだったという、なんともロマンチックな展開です。

 

ステラ特典はヒロインが亡くなった後、白蛇と一緒になる内容。力が戻った白蛇は人の姿でヒロインと接し、二人は新婚生活中。ヒロインは二十代の頃の姿で、白蛇は声も見た目も若き日の棗芽の姿。棗芽の感覚を通してヒロインと過ごしてきたためか、言葉やしゃべり方がとても現代的でフランクです。ヒロインは人としての生涯を終えたけど、白蛇と棗芽は感覚を共有しているため、残された棗芽にも今のヒロインが見えているそう。どんだけチートスキルなの。二度目の結婚生活を送っていて、ここでも幸せそうでした。
縁日のシーンの会話が繰り返しが多かったり、ご都合主義的な展開とか気になるところもありましたが、想像を超える壮大な愛の物語でした。人外との恋は通常とは異なるエロや、純度の高い純愛が特徴かと思います。今作はどちらも満たしていて楽しめる内容でした。