偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

首吊り幸福論(CV:金森幸雅)

www.dlsite.com

同人サークルいぬかわ委員会発、木造ボロアパートに住むヒロインが人には見えないものが見える体質の隣人と付き合うDL音声。物騒なタイトルですが、本編は8割方ラブコメ

 

木造ボロアパートで過ごしているヒロイン、ある夜隣から「死んでやる」と叫ぶ男の声が。ヒロインが隣室のドアを叩くと、住人である檀田慈乃(まゆみだ・しの)が姿を現します。部屋の中にはロープの輪が吊るされ、これで首を吊ろうとしていた模様。慈乃はヒロインを追い払おうとしますが、説得され理由を語ります。生まれつき人には見えないものが見える、そのせいで仕事も人付き合いも上手くいかない、と絶望し命を絶とうとしていたそう。

 

耐える方法をヒロインが聞くと、慈乃は言いたくないと拒否。ヒロインが食い下がると自慰すれば余計なことを考えずに眠れる、と正直な言葉を吐きます。慈乃の目が綺麗としきりに覗き込むヒロイン、彼に一目惚れしたとかマイペース過ぎる。信じようとしない慈乃に名刺を渡したり、彼を助けようと必死です。死にたくならないよう私を見てとヒロインが言うと、慈乃の口から証明として自慰のオカズになってという言葉が。さっきから斜め上の方向にいってないか。服を脱ぎ全身を慈乃に見せるヒロイン、何故こうなった。興奮した慈乃の下半身が反応、触っていいと言うヒロインに聞いてるこちらが心配になる。さっきまでの嘆きはどこへ、ヒロインの体に好奇心が抑えられない慈乃は戸惑いつつ彼女に触れ詳しく実況。ヒロインは慈乃を膝枕、胸を彼の顔の上に持ってきて手で奉仕とか男を喜ばせるツボを心得ている。達するところまでして、満足したのかそのまま眠ってしまう慈乃。

 

翌朝、慈乃はヒロインと布団で寝ていることに驚き、昨夜の出来事が信じられない様子。ヒロインとエロいことをしても見えてしまう体質は変わらないようで、ひとりになったらまた死にたくなるに決まってると悲観してます。昨夜のことは幻覚だったのではと言う慈乃に、夢じゃないとヒロインが主張しても聞き入れてもらえず。抱かせろと言ったらどうするという問いにいいよとうなずくヒロイン、あっけらかんとしすぎでは。しばらく葛藤した後、童貞だけどしてみたいと言う慈乃とセックスする展開に。

 

確認を取りつつたどたどしく触るけど、しっかりヒロインの顔見てくるし、興奮してる声が嬉しそうで色っぽいです。本番になるとオラついてくる男性キャラクターが多い中、こんな時でも申し訳なさそうなのが慈乃らしい。その後、日常を共に過ごすふたり。買い物に行き部屋で夕飯を作って食べたり、同棲カップルのような。慈乃のおねだりでエロいこともしたり順調な様子。

 

絶望して命を絶とうとする青年が相手と、病み系かと思いきや日常系のラブコメでした。設定的にエロ特化になりそうなところを、そちらには行かないコミュニケーション重視の作品です。ヒロインという心の支え、依存先が見つかったことで変わっていく男性キャラクターの心情が聞けます。

 

ヒロインと結ばれても、慈乃の見えてしまう体質が変わらないのが真摯な描き方に感じました。生きづらさが消えるわけではないけど愛してくれる人に出会い前向きになったり、些細なことで不信感が膨れ上がったり、揺れる男性キャラクターの心の動きが美味しい。以前とはまるで別人になるのではなく、本来持っていた慈乃らしさが前面に出てくるところが作品が持つ肯定感の強さではないかと。

 

IFのバッドエンドも聞きました。注意書きにビビりつつ聞くと(かなり悲惨な内容を妄想してた)、こわいというよりひたすら悲しい気分に。客観性と言語化能力が高く、感情豊かでやっていけそうな慈乃のもろく不安定な面があふれていて辛かったです。こちらが思っている以上に、慈乃にとってヒロインは大きな存在であることを痛感しました。