偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

THEヤンキー彼氏 無口系ヤンキー矢島祐士(CV:本間かいな)

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ニノヤ発ヤンキーだらけの高校に通う主人公と、ヤンキーをめぐる配信限定作品。1作目からしばらく空いて、2作目がようやく配信となりました。設定では主人公が男子となっていますが、BLではなく乙女系作品です。

 

主人公は矢場谷高校(通称ヤバコー)に通う、苗字由来で周りから姫と呼ばれている男子高校生。祖父が営む和菓子屋を継ぐため、東京の高校から定時制のヤバコーへ転校したのでした。ヤンキーだらけで治安の悪いヤバコーに驚きつつ、同学年で幼馴染の矢島祐士(やじま・ゆうじ)と中村北斗(なかむら・ほくと)とつるむのが日課

 

主人公は放課後、祐士のクラスへ一緒に帰るため呼びに行きます。いつも一緒の北斗は家の仕事の関係で早退していて、今日は祐士とふたりきり。帰ろうとする祐士の前に突然、転校してきたばかりのヤンキーが殴り込んできます。祐士は主人公にしばらく待つよう指示、挑戦者を素早く拳で撃退とか瞬殺だ。祐士は北斗とヤジキタ連合という4年生中心のチームを組んでいて、よく狙われているのでした。祐士は何事もなかったかのように主人公をラーメン屋に誘い、食べに行くことに。

 

道中、祐士が中3の頃の話をすると頭痛が起こり苦しむ主人公。あの夏のことを思い出さなくていいと主人公と祐士、北斗に起こったことを祐士は語ります。中学3年生の夏、主人公は階段から落ちて頭を打って記憶を失い入院したこと。北斗と祐士は地元の暴走族グループとトラブルで乱闘事件を起こし、警察に捕まったこと。そのせいで祐士の野球の推薦入学の話は白紙に、数ヶ月後父親が亡くなり、実家の農家を継ぐべく定時制のヤバコーに入ったこと。淡々と話してるけど、短期間で祐士の人生激動では。主人公は事故前後の記憶が消えていて、時折頭痛に苦しんでいるのでした。

 

期末テストの話になり、祐士は勉強が苦手と話します。語彙力が身に着くようお笑い番組見て勉強してるとか、真面目さが妙な方向にいってないか。努力してるけど口下手で目つきが鋭く、クールな雰囲気のため誤解されがちなよう。月野池に行きたいと急に言い出す主人公、祐士の制止も聞かずに駆け出します。主人公が池を覗き込んでいると、身を乗り出した祐士が池に落ちてしまいます。祐士は池から上がり、ショックで倒れた主人公をかついで姫の家へ連れ帰ることに。

 

目を覚ました主人公の無事を確認後、祐士は帰宅しようとしますが主人公は彼を引き止めます。主人公の口から、体が女になっているという言葉が。月野池に伝わる河童のたたりで女の体になってしまったのでは、と慌てる主人公に休むようなだめる祐士冷静だな。これは夢と祐士が言い聞かせていると「これは現実や、現実から逃げるな、立ち向かうんや」とおっさんの声がどこからか聞こえてきます。おっさんの声と会話する祐士、幻聴じゃないのか。俺にも河童の呪いがかかった、そのせいで股間がしゃべるようになった、とよく分からない話をする祐士。おっさんの名前はゆっちーさんで、分かってもらうため祐士は下半身を露出し主人公に見せることに。関西弁でゆっちーさんに挨拶されたり、どういう状況なんだ。

 

すぐ呪いを解きたいと主張する主人公に、ゆっちーさんは王子様のキスで解けるかもと言います。よく分からないけど呪いを解くため、双方未経験ながらキスすることに。キスを車庫入れみたいなもんだろと言う祐士、淡々と話すの面白いな。頭をぶつけつつなんとかキス、次に大人のキスをします。口調は平坦だけど、いたく感動している様子の祐士。何度かキスして終了、あっさりした引き際だ。

 

次の日、祐士の家を訪ねる主人公。家族は外出していて家には祐士のみ。昨日の一件で主人公が気まずくなってないか気にしています。祐士に誘われ、部屋でお昼をご馳走してもらうことに。キスして一晩経っても主人公の女体化の呪いが消えることはなく、祐士のゆっちーさんもそのまま。キスの回数を増やせば解けるかも、と話すふたりに声を掛けるゆっちーさん、キスでダメならエッチしてみればいいのではという提案が。エロ方面ばかりに話がいくのはなんでよ。祐士は戸惑ってますが、ゆっちーさんとの会話を聞いてると祐士の脳内丸聞こえでは。

 

腹をくくった祐士、主人公にずっと前から決めていた、やらせて下さいとか今までの気遣いはどこへ。言葉が直球過ぎる。ゆっちーさんもずっと前から祐士は姫ちゃんのことが好きだったと言いますが、今までのやりとり聞いてそうだろうと思ってた。やり方が分からないとこぼしつつ、アダルト動画見て脳内シミュレーションしてたとかムッツリじゃないか。祐士は覚悟を決め、主人公を抱くことに。

 

北斗の幼馴染である祐士、陽キャで積極的、頭のいい北斗と異なり、陰キャで真面目な慎重派と対照的なキャラクターでした。勉強が出来なくて面白いことも言えないと気にしてますが、真面目にお笑い番組見てたりキスを車庫入れと言ったり、独特の感性の持ち主で面白いなと思いました。主人公がどう思っているかいつも気にしていて、ヤンキーっぽさは低め。とは言え向かってきたヤンキーはボコるし、車好きだったり素質は十分。気遣いと思いやりにあふれ、真摯で不器用な言葉に胸を打たれました。慎重で淡白に聞こえる言動や態度は主人公への気遣いと愛によるもので、同時に祐士の臆病さでもあるのかなと。お笑い要素であるゆっちーさんとのやりとりは祐士の本音を引き出していて、彼がいないと話が進まないので相棒の存在は貴重。北斗編同様、濡れ場も股間の相棒との掛け合いを聞くことに。シチュボ作品のロマンチックで色気あるしゃべりとはかけ離れているため、好みが分かれるところかと。ヤンキー彼氏というタイトルだと、ヤンキーにオラオラ迫られて襲われるイメージが浮かんでしまいますが(偏見)幼馴染設定もあり主人公をとても大事に扱ってくれるのが好感触です。

 

時系列ではなくキャラクターごとの分岐となっていて、北斗編を聞いていなくてもストーリーが理解出来るよう作られているのが親切。ストーリー展開は男性キャラクターとの会話とエロで進むシンプルな流れですが、設定や人間関係は案外複雑でシリーズ通して聞くことで理解が深まる作り。公式HPの勢力図を見ても、まだ作中に出てきていない情報があるため3、4巻で紐解かれるのが楽しみです。