偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

赤髪の男-危険な彫師との共存関係-(CV:一条ひらめ)

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同人サークルJumping at Shadows発、ヒロインの親の再婚で彫師の男性と兄妹になるDL音声。

ヒロインは美大に通う女子大生。親が再婚し、再婚相手の息子と同居することに。子どもといっても十歳ほど年上の青年で、彼の父親がヒロインの面倒を見るよう指示したため、一緒に住むことになったのでした(親は仕事で海外にいる状態)。家にやって来たのは、赤髪の彫師の龍野築(たつの・きずく)という青年。会って早々お前とは関わらない、食事も洗濯も自分ですると話す彼。血の繋がらない関係だし干渉しない、ときわめてドライ。気だるそうなしゃべりで、冷たく上から目線となんとも印象悪い。

数日後、部屋で自慰をする築を目撃するヒロイン。彫師の仕事をした後は昂るため、こうしているといたって冷静。しゃべりは気だるいままだけど、見て興奮したのかとヒロインにしきりに聞くのは照れ隠しなのか。

 

ある日、築に声を掛けるヒロイン。大学から男性の半裸のスケッチの課題が出ているので協力して欲しい、と頼み込みます。予想に反してあっさりOKをもらうことに。築が服を脱ぐと、彼の体には多くのタトゥーが刻まれていました。彫った理由をヒロインが聞くと、子どもの頃やけどを負ってそれを隠すためだったと告げる築。タトゥーを入れてもらった時、魂が震える感じがしたと言います。タトゥーの魅力に取りつかれ積極的に彫ってもらうようになり、自分でも彫りたいと思い彫師に弟子入りし、プロの道に入ったのでした。

 

築はヒロインが描いた絵を見て筋肉の質感が微妙、生きてる感じがしないと指摘します。築は独学で絵の勉強をした経験があり、絵にある程度精通しているよう。さらに男の体を触ったことがないんだろう、という指摘が。男の体を知らないなら、と自分の体を触って筋肉の付き方を学ぶよう言います。ヒロインの手を取り自分の肌を触らせ、肩や胸の感触を教える築。手がだんだん下に行き、恥じらいでヒロインの顔が真っ赤に。男のものを見たのはあの時がはじめてだったのか、と尋ねる築。ここも見て触らないと、と下着を脱ぎヒロインに手で触るよう促します。こんな状況でも声は淡々としているのですが、ヒロインに奉仕させて耳舐めするのはなんでよ。口でも奉仕するのヒロイン大胆だな。築が達するところまでして、その場は終了。

 

別の日家で夕食を食べた後、築に元気がなさそうと言われるヒロイン。悩みではなく頼みごとがある、自分にタトゥーを彫って欲しいとヒロインは言います。ヒロインの体には子どもの頃負った傷があり、それを隠すため築に彫って欲しいと。服を脱ぎ傷を見せると、築はヒロインにキスをします。お前の傷はきれいだ、見せてくれた時点で自分にとって大事なものになったと告げる築。ヒロインの傷を見たこと、築と同じようにタトゥーを入れて欲しいという言葉で感極まったようで、兄はヒロインを抱きます。

 

親の再婚で義理の兄妹になるシチュエーションは、音声作品ではよくある設定。義理の兄になる男性キャラクターが好青年ではなく、無愛想な体中タトゥーだらけの彫師なのが意外に感じました。同人音声でこういう設定だと、キャラクターの内面がクレイジーで薬を盛られて襲われ快楽堕ちしそうと思ってしまいましたが(偏見)、そうはならず案外常識人だったというオチ(常識人なら義理とはいえ妹に手は出さないのでは、というツッコミはさておき)。王道とギャップ萌えのバランスが絶妙なんですよ。兄が冷たく感じられたのは序盤だけで、全編通して聞くとむしろ優しかったという。しゃべりが淡々としているだけで面倒見が良く、ささいな変化にも気づいてくれる細やかさがあるキャラクターでした。

 

美大生で絵描きのヒロインと彫師の兄と芸術系で、子どもの頃負った大きな傷と共通点が二人を引き寄せます。互いの欠けた部分を合わせてみたらぴったりはまるかのごとく、深みにはまっていくことに。アウトローのような外見の兄の心は少年のままで、冷めた言動も大人になりきれない内面の現れのように感じました。あまり過去は語らないものの、しゃべりから孤独が透けて見えるようで。急に家族になったヒロインとの共通点を見つけたり、気持ちを知るたび運命を感じずにいられなかったようで愛が重いよ。大人ぶってるけど吸い付くようなキスをしたり、初回から中に出したり本気度が高すぎます。ヒロインの気が変わったら身を引くみたいなこと言ってますが、本気で好きになってるのがバレバレで素直になれよという気持ち。タトゥーは肌に傷をつけて墨を入れる行為であり、それを兄に頼むのが相手に大事なものを託すように思えて、より特別な存在になっていく流れが秀逸でした。