偏愛シチュエーション

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Rouge et Noir Maximum Bet ピットボス アーレン・クライヴ(CV:テトラポット登)

Rouge et Noir Maximum Bet ピットボス アーレン・クライヴ(CV.テトラポット登)

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ドラッグ「ルージュエノワール」をめぐるマトリの活躍と戦いを描くシリーズの第2シーズン3作目。犯罪シンジケート「ハウス」ピットボスアーレン・クライヴとの再会、事件の一部始終を描いた待ちに待った作品です。前作でアーレンの愛人として単独で潜入捜査するも見破られ、その際薬を使われた後遺症で現在は治療に専念、部屋で一人暮らししているヒロイン。シャワーを浴びバスルームから出てくると男の声が。それは一年前ヒロインを追い詰めた敵のアーレン・クライヴの声でした。ヒロインはアーレンに銃を突きつけるものの、あっさりいなされ今の状況を言い当てられます。薬を口移しされ眠らされることに。アーレンは特広のボスである周防衛士に電話、宣戦布告してヒロインを連れ出します。 

 

ヒロインが目を覚ますとそこは見知らぬ部屋。傍らにアーレンがいて、アメリカに向かう船の中で太平洋の上にいると告げられます。アーレンはヒロインに手を組まないかと提案。「ハウス」は現在弱体化しており、組織力を取り戻すためハウスマネージャーは、本国の地下組織と同盟を結ぶ取引をしていると言います。アーレンは同盟を阻止したい、手を組むことはヒロインにもプラスがあると。ハウスが力を取り戻したら再び日本—霞朝に進出するだろう、阻止したいなら私と手を組めと言います。日本での協力者役としてマトリのヒロインが愛人になったと見せかけ、取引の場に同行することを要求します。ヒロインが薬のフラッシュバックを危惧されて現場復帰出来ずくすぶっていることを言い当て、再び舞台に上がる手助けをする誘い。ヒロインは不承不承応じることに。感動の再会の続きと言って抱かれる展開に。 

 

船はロサンゼルスに到着、港には巨大豪華客船がすでに到着していました。船内で2日間パーティが開かれ、ヒロインもアーレンと出席することに。場内はハウス構成員と同盟相手、関係者と賑わっています。中心にいるのはジュリオ・エミリアーノという若い男性で、マフィアのファミリーの幹部と告げられます。歴史あるマフィアの血族である彼と、ハウスマネージャーは同盟を結びたがっているとのこと。説明を受け利害関係を想像するヒロイン、取引を阻止するのはハウスの弱体化、崩壊につながるのではという指摘にアーレンは頷きます。「ハウスは手段であって目的ではない」と言うアーレン。ハウスの存在自体が邪魔になったと言い、潰す気で動いている様子。ヒロインを連れ出したのも別に理由があるようで、彼が何を考えているのか見えません。 

 

2日目、取引先も交えて幹部クラスでポーカーをする場にアーレンが出席、ヒロインも同行します。勝ち進む中「薄汚い野良犬が悪臭を放っている」とハウスの敵対組織アンダードッグのボスが紛れ込んでいることを指摘します。ルージュエノワールに興味を持ったエミリアーノはすでにアンダードッグと同盟を結んでいて、エミリアーノはハウスと同盟を結ぶ際アンダードッグとの和解を命じました。ハウスマネージャーがアンダードッグとの確執に目をつむれば恨みを持つのはアーレンのみ。ハウスの構成員はすでに説き伏せており、この場でアーレンを粛正し和解の証にするという仕組まれた取引であることを暴露します。銃撃戦が始まりヒロインと逃走することに。前作では初めて人を撃って震えていたヒロインですが、今回は戦闘に加わり共に道を開きます。現場には出ていなくとも訓練は欠かさなかったようで、恐れず戦うヒロインの姿を聞くことが出来ます。 

 

二人は船上に脱出、アーレンの側近ジルがヘリに乗って現れ逃亡を助けます。ジルは実はFBIの捜査官で、マフィアを逮捕すべくハウスに潜入していたのでした。やり残したことがあるとアーレンはヒロインを残し再度客船へ。アーレンの双子の弟の仇であるアンダードッグのボスを殺害するため彼を追い詰めます。そこへ発砲しアーレンを制止するヒロイン。止めたければ私を撃てと言われ、戸惑い撃てなくなる彼女を尻目にアーレンはボスを撃ち殺害。響き渡る銃声が非常に重いです。

 

ボスを殺害したアーレンの元にジルが再度迎えに来て、ヒロインもヘリへ。ジルに「約束を果たしてもらう」と言うアーレン。ヒロインに「会わせたい男がいる」と連れてこられたのは教会。そこには棺が置かれていて、中にいたのはアーレン瓜二つの男性。亡くなっているのに、まるで眠っているかのような劣化していない姿にヒロインは驚きます。「彼こそ本物のアーレン・クライヴ」と告げる彼。ヒロインの目の前で話している彼の名はヴァンで、アーレンの双子の兄と言います。 

 

ハウスの前身である犯罪組織メインケージのメンバーだったアーレン、彼はアンダードッグの幹部と対立し行方不明に。FBI捜査官だった兄のヴァンは弟の名アーレンを名乗り、ハウスの第2ボスとして振るまっていました。行方不明だったアーレンはすでに死亡しており、凍った湖に沈み奇跡的に腐敗せず凍っていたようです。湖の氷が割れた際遺体が発見され、引き上げたFBIがDNAを調べると失踪していたヴァンとよく似た別人であることが判明、双子が入れ替わっていることにFBIは気づいたのでした。マフィアを捕えたいFBIはハウス幹部になったヴァンに接触し、マフィア逮捕の見返りにアーレンの遺体を引き渡す約束をしていたのです。一連の出来事は複数の勢力の利害関係や思惑が絡み合っており、ヴァンとFBIが事件を制したように見えました。 

 

そんな中、更なる圧力が加わりヴァンの行く末は決定しているという話をされます。ヴァンはそれに応じないと告げ、ヒロインに自分を逮捕するよう要求。「自分の意志で行動してほしいと思った」と言っていたヴァン、実際はヒロインの意思もお構いなしに連れ去り彼女を抱き、最後の幕引きをさせようと結局何から何まで彼の思惑通り。逮捕を拒もうとするヒロインに選択肢を与えず有無を言わせないとか、どれだけ頭脳明晰でずるいのか。ヒロインに対して罪滅ぼしの気持ちもあったにせよ、結局ヴァンの想定した通りに。ヒロインには恋愛感情だけではなく、アーレンとしてハウス幹部になった際、捨て去ったはずの良心や正義感を彼女の中に見ていたのかなと思いました。まるで自分で棺を用意し穴を掘り、ここに埋めてくれと言わんばかりの振るまい。裁かれる側なのに何もかも自分で決めている様は、誇り高く意固地で完璧主義に感じました。ヒロインは泣きながらアーレンの手に手錠をかけ、片方を自分の手にかけるのでした。