偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

偏愛の匣(CV:蘆引梗矢)

同人サークルシャトンアリス発、結婚を迫られているお嬢様のヒロインと執事をめぐるDL作品。

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ヒロインは大きなお屋敷に住み、使用人を雇うほど資産のある家柄ながら、父の経営する会社が経営難という設定。ヒロインは家のため、よく知らない男性との結婚を勧められているのが現状。長年家に仕えている執事、青山英二(あおやま・えいじ)は嫌なら断ってもいいのではとヒロインに話し、結婚についてこんこんと説教します。主従関係ながら淡々とした口調で嫌味や冗談を言う青山、気心の知れた仲のよう。青山はヒロインの結婚に否定的なようで、ヒロインは騙されやすいから心配と言います。本来使用人が仕えている女性の部屋にいたり、添い寝するのはご法度と言う彼。実は一年前ヒロインの誕生日、酒に酔ったヒロインが青山にキスしてと指示したことがあったのでした。それ以上のことはないものの、青山は主従関係以上の気持ちがある様子。 

 

後日、紹介された男性と対面したヒロイン。青山はヒロインが相手を気に入るはずがないと思っていたようですが、彼女は婚約を決心したと言います。家のために結婚を決めたヒロインに、執事の自分が好きではなかったのかと責める青山。彼は一緒に逃げないかと唐突に提案、主従関係のはずが長年募らせた想いがあるようで、言動が極端です。ヒロインは青山の提案には乗らず彼は出過ぎたことを言ったと謝罪、お祝いにとワインを勧めてきます。酒に酔ったヒロインは、そのまま眠ってしまうことに。眠るヒロインに青山は彼ではあなたを幸せに出来ない、私があなたを守ると告げます。 

 

目を覚ますと、逃げられないよう拘束されているヒロイン。青山はヒロインに並みならぬ執着心があるようで、部屋に軟禁すると告げます。ヒロインは声を上げればと反発しますが、こんな状態では逆に怪しまれる、執事とお嬢様は恋人と思われるだろうと言う青山。関係性を逆手に取って脅すとか、力関係が逆転してます。これもあなたを救うため、婚約のことを考え直せと言ったり、譲る気はないよう。

あなたは本当の私を知らない、一人の女性として好きだったと想いを告白する彼。最初は執事として仕えるつもりだったのが、一年前ヒロインとキスしたことで気が変わったと言います。以来ヒロインから切り出してくるのを待っていた、知らない男のところに行くなんて許さないとか、恋心をこじらせすぎです。 

 

唇を差し出したんだから体だって私に奪われても文句は言えない、とヒロインを抱こうとする青山。キスから始め、未経験のヒロインは手ほどきを受けることに。淡々とした口調ではじめてのヒロイン相手に細かく説明しつつ触れ、襲っているはずが合意の行為に聞こえて不思議な感じです。ヒロインに男性への奉仕の仕方を教えたり、そういうレッスンなのかなという気分になります。とは言え前戯のみで済ませてくれるわけがなく、ゴムをつけて抱かれることに。痛みに耐えて泣くヒロインをいたわり、動かず顔にキスを落とす彼。無理矢理なのに優しいとヒロインは戸惑っているようで、青山を受け入れます。

 

抱かれた後も信頼を裏切られたと嘆き、御曹司とまだ結婚する気でいるヒロインに青山は説教をします。結婚したら相手の家に自分の使用人は連れて行けない、結婚相手とセックスしなければならない、自分とはもう会えないと。ヒロインは風邪を引いているため看病は自分がする、と言い侍女が来ても追い返してしまいます。ヒロインの父は不在で、彼女の異常に気付く者はいないのでした。

 

ヒロインの軟禁からしばらくして、激怒している様子の青山。結納の話が進んでいると話す彼、ヒロインの父が承諾したのだろうとのこと。青山はヒロインの婚約について父に何度も説得を試みたと言いますが、想像以上に家の財政は良くないよう。ヒロインの気持ちが変わるのを待つつもりだったけど、こうしてはいられないと焦っている様子。青山は今まで黙っていたと、この婚約の真実を話すことに。相手の男性は初婚ではない、前妻は家の会社の経営立て直しの投資を約束され結婚したものの、経営権を乗っ取られ離婚したと言います。青山が結婚を阻止しようとしていたのは、家を救うどころかより不幸になると危惧したためだったのでした。青山は自分と逃げるか相手と結婚するか、ヒロインに決断を迫ります。 

 

執事設定こそ非現実的ですが、ヒロインの家の会社が経営難で、よく知らない相手と結婚しなければならないとか、リアル寄りの作風でした。執事とお嬢様の過度のじゃれ合いはご法度というのも、屋敷の中は無法地帯ではなく、雇う側が何をしてもいいという立場じゃないのも同様。それを逆手に取って、ヒロインを脅す執事の計算高さに舌を巻く気分。ヒロインを軟禁しますがそんなにきついやり方ではなく、どちらかというと甘めの調教ものかなと思いました。濡れ場でも冷静な敬語責めで、執事設定が活きています。異常なまでにヒロインを愛し執着する作風は完全に女性向けで、しっかり練られたストーリーと設定に感銘を受けました。