偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

椿三兄弟~長男・優一郎編~(CV:三橋渡)

同人サークルwhite mist発、若い兄弟しかいない家に大学生ヒロインが、臨時の家政婦として雇われる設定のシリーズ第三弾。次男の慎次郎編に始まり三男の龍三郎編と来て、今回は長男の優一郎に襲われる内容で最終巻です。

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慎次郎と付き合っているヒロイン、リビングで彼に抱かれた声を龍三郎に聞かれ、優一郎にバラされたくなかったら自分にも抱かれろ、と脅され犯されたのが前回までのあらすじ。優一郎は弟たちがヒロインと関係を持ったことを知っていて、家の風紀を乱しているとヒロインに迫ります。休みの日の昼、外出しているのか慎次郎と龍三郎はおらず、広い屋敷の中にはヒロインと優一郎のみ。優一郎はどうやって弟たちを堕としたのか知るべくヒロインに服を脱ぐよう命令、手錠を掛け彼女を攻めます。弟から話を聞いたり現場を見たのではなく、部屋に監視カメラを仕掛け彼らの淫らな姿を見ていたと言う優一郎、何もかもお見通しなのでした。言葉でなぶられ、ねちっこい前戯をされ体が反応してしまうヒロイン。繋がると余裕がなくなり快感に抵抗出来ない様子の優一郎、ヒロインが男を駄目にする名器の持ち主であることに気付くも時すでに遅く、彼女の体に翻弄されることに。

 

予告のあらすじを見た時点でヤバい空気が漂っていましたが、聞いてみたら想像以上にハードな内容でした。一巻の慎次郎編で肉じゃがキスに喜んでいたのを嘲笑うかのごとく、二巻以降は寝取られと暗い作風に。序盤はTLのような作風だったのに対して、二巻以降は昼ドラのようなドロドロした展開になっていきます。優一郎はドSというかヤバ男の雰囲気が感じられ、ヒロインが弟たちをたぶらかしたと彼女が一方的に悪いと決めつけているあたり、認知のゆがみがあるように感じました。部屋に監視カメラを仕込んでいたとのことで、ヒロインが来てからなのか以前からなのかは不明ですが、ヒロインのみならず弟たちにも人権がないのがヤバいです。弟たちがヒロインに堕ちた理由を知るため、反発出来ないよう彼女を襲ったつもりが、ヒロインの体に溺れミイラ取りがミイラになる過程を聞くことに。

 

やり方は極端ながら家と弟たちを守るためヒロインに手を出したはずが、彼女に溺れ今度は優一郎が兄弟の絆や家を破壊する方向に行くであろう逆転劇がすごかったです。最初ヒロインに好意はなかったのに、彼女を抱いたことで優一郎の内面に変化が起こり、執着心や独占欲が湧く流れがなんとも皮肉です。弟たちとはセックスさせないと宣言、ヒロインを屋敷の外に出さないとか言動がヤバすぎる。優一郎に抱かれたことで本当に逃げ場がなくなったヒロイン、今後どうなるのか想像しても明るい未来は描けませんでした。思えば龍三郎に襲われた時点で逃げそうなところを留まっていたあたり、ヒロインに自覚はなくても快楽に抵抗出来ない、隠れた願望があったのかなと妄想が止まりません。遠くない未来、他の二人にもこのことはバレるだろうし、優一郎の性格からして無理矢理ヒロインと結婚する展開を妄想してしまったり、昼ドラ脳が活性化しそうです。

 

ほぼ濡れ場オンリーの作品ながら男性キャラクターの内面が変わっていき、同時にリスナーのキャラクターへの印象も変わる展開が見事でした。各巻で他の兄弟の話題が出てきて、次巻も聞きたくなる聞かせ方が秀逸です。作中の罠にかかった、仕掛けられたというセリフが印象的でした。ヒロインが兄弟たちの罠にはまり、兄弟たちがヒロインの罠にはまり、リスナーも作品の罠にはまるという。何重もの罠が張り巡らされ、翻弄される感覚が面白かったです。日常シーンの描写はないシリーズですが、兄弟の話で関係性やキャラクターを妄想させる描き方が上手く、シチュエーション音声の特性を活かした作りに感服しました。