偏愛シチュエーション

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あやしの花恋愛譚 Ep.3 仁編(CV:茶介)

 あやしの花恋愛譚_Ep.3 仁編 / 茶介

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ツナボニコレクションズ発、幸せになれるという不思議な花をめぐるシリーズ第三弾。1、2作目でサブキャラとして登場した社長が相手役。花に関する話というよりフォーチュンフラワーを作った人物本人にスポットが当たる、核となるエピソードです。
ヒロインは自社で販売しているフォーチュンフラワーに秘密があるのでは、と疑問を持ちます。社長である八神仁(やがみ・じん)に質問しますが、神社のお守りのようなもので、幸せになれるかは本人次第とかわされてしまいます。花の球根は仁が管理していて、彼の地元で栽培しているとのこと。どうしても真相を知りたいヒロインは、帰宅する仁の後をつけます。ヒロイン大胆だな。尾行に気付き、ヒロインに声を掛ける仁。このあたりは治安が悪いと帰らせようとしますが、仁が住んでいるのは雑居ビルだと言います。秘密を知りたいヒロインは家にあげて欲しいと頼みます。ぐいぐい来るな。ビルに入ると不思議な香りが漂っていました。仁は護摩の匂いだと言い、匂いにあてられたのか気を失うヒロイン。仁はヒロインをベッドに運ぶことに。

 

眠るヒロインの夢の中に、何故か仁の姿が。仁いわく匂いからイメージした世界とのことで、あたりにフォーチュンフラワーが咲いています。ヒロインは空をふわふわと漂っていて、仁も彼女の遊びに付き合うことに。夢から覚めない人もいるからと仁は帰るよう促しますが、ヒロインはまだ遊んでいたい様子。すべり台で遊んだり雲を食べたり、上下関係も消え去り幼児化しているかのようなヒロイン。仁とキスしたいと唐突なお願いが飛び出します。仁はあっさり応じますが、仁としたいのか相手は誰でもいいのか分からないとか奔放です。想像しただけで裸になり、そのまま仁に抱かれることに。最中にヒロインは「私社長のことが好きなんでしょうか」と質問。要求されて従っただけかと思いきや、ヒロインのことがほんとにかわいいとか仁は結構ほだされた様子。

 

目を覚ましたヒロインは、匂いの元となった香木について尋ねます。麻薬ではないけど、トランス状態になるため先祖代々使っているものだと言う仁。花のことだけではなく、明らかに普通の家系ではないよう。観念した仁は、真実を語ります。仁の真名は八神仁斎(やがみ・じんさい)で、彼は八神信道(やがみしんとう)最後の継承者だと言います。八神信道は陰陽道シャーマニズムが融合したようなもので、ローカルの宗教とのこと。フォーチュンフラワーは護摩を焚いて祈祷したもので、幸福になる力は本物だったのです。力の強い者は死者と交信出来るとのことで、仁が人の夢に入り込めるのもその能力ゆえ。家系の者は異能の力を持ち尊敬される反面、恐れられることもあると言います。彼は自分の能力を疎ましく思っていて、道を逸れたのでした。仁はヒロインが自分の能力を怖がるのではと心配しますが、ヒロインは仁と夢の中でセックスしたことが無性に恥ずかしい様子。自分を怖がらないヒロインに仁は驚きますが、久しぶりに能力を使ったのは何かの前触れかもとつぶやきます。

 

次の日、会社に仁充ての手紙が届きます。会社ではなく八神仁斎宛ての手紙で、祈祷の依頼でした。末期の病人の回復を願う内容で、途中で修業を辞めた自分には務まらないと言う彼。仁は子どもの頃交信すると疲れで何日も寝込み、そのたび母がとても心配したと言います。両親の喧嘩が絶えなかったとのことで、それが原因で離縁してしまったそう。父に反発した仁は修業を辞めたのでした。同時に八神の力が絶えることに罪悪感もあり、フォーチュンフラワーを作ったのは罪悪感の表れだと言います。依頼の祈祷は危険があるようで、ヒロインは仁を心配。対して仁は昨日の夢のせいもあってか、依頼を受ける気になっています。仁は依頼を受けることを決意、ヒロインも同行することに。

 

今まで不思議な花に関する話だったのが、花よりもそれを作った社長その人と彼のバックボーンにまつわる内容になっていました。熊肉さんの第一弾も聞きましたが、こんなに深みのある話とは思ってませんでした。民俗学に通じる信仰の話が出てきたり、神秘的な内容だなと。とは言え深刻な作風ではなく、かしわさんらしいほんわかしたライトで楽しく聞ける作品です。ラスト近くまで好きなのか分からないとか、予定調和崩してくるヒロインの言動が独特。男性キャラクターも普段は余裕ある態度なのに、本番になると強引になるのは年長者ゆえなのか。この作品に限らず歳の差設定だとヒロイン逃がしたくないからなのか、強引なおじさんが多い傾向があるように思います(笑)。

特典はアニメイトの「自然法爾(じねんほうに)」を聞きました。自然法爾とはなんぞやと調べたら、仏教用語とのことでタイトルまで徹底していて驚き。意味は「もとより、おのずから、しからしむるということ」で、なるべくしてなるということでしょうか。仁の実家に泊まるエピソードで、家とのしがらみを気にしていた仁がヒロインの指摘で肩の荷が下りる内容。仁がヒロインと一緒になることで罪悪感が軽減されるという内容がうまいなとうなりました。