偏愛シチュエーション

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悪役令嬢はメンデレ王子にHな拷問されるなんてバグですか(CV:一条ひらめ)

同人サークル禁断りんごのDL作品「悪役令嬢はメンデレ王子にHな拷問されるなんてバグですか」。2019年が終わる手前にすごい作品に出会ってしまいました。声は一条ひらめさん。

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舞台は乙女ゲーム「恋は導きの星」という作品の中。ヒロインはゲームのプレイヤーで、ゲーム内では悪役令嬢のキャラクター。ヒロインはディルアーバイン帝国の王位継承者、第二王子ダンデと婚約していました。ところが、メインヒロイン・ティティルにダンデが惚れてしまい婚約は破棄。ヒロインがティティルに「ダンデが王太子でなくなっても、本当に彼が好きなのか」と囁くのを聞く者がいました。それは第三王子レオ・ニス・ゾディアーク。悪役令嬢であるヒロインは、メインヒロインに意地悪をする役回りでその通りふるまっただけなのですが、発言が不敬罪に当たるのではとレオに捕えられてしまいます。さらにヒロインはスパイなのではないかと疑われることに。攻略キャラクターではないレオが絡んできて、ヒロインは混乱。レオは城の地下牢にヒロインを監禁、拷問と称してヒロインを襲います。


レオはヒロインに媚薬を飲ませるためキスをします。恥じらうヒロインに、弟と婚約していたもののキスすらしていなかった事実に驚くレオ。レオは眉目秀麗でプレイボーイの設定。なのにヒロインを目の前にして鼻血を出してしまったり、興奮気味に服を脱がせまくしたてたりと反応が変です。上から目線でねっとりと、まわりくどい言葉でヒロインをなぶります。罵っているようで口説いているかのようなセリフから、ヒロインにベタ惚れなのが駄々洩れ。責任は取る、君は私と結婚するのだよと言うレオ。極刑を免れたかったら、私と結婚しろと突きつけてきます。ヒロインを尋問すると言ったものの、実際はヒロインをものにするため疑いをかけ、既成事実を作ってしまえという策略だったよう。興奮しすぎてすぐ達してしまい、おさまらず抜かずに三回もすることに。

 

拷問となっていますが、実際は甘々調教かなと。調教もの苦手なんですが、男性キャラクターが惚れているのが分かるので嫌な感じはしませんでした。排泄系があるので注意が必要です。惚れてないと、このプレイは無理と思いました(大分感覚が麻痺しています)。前半エロ無双で進み、そのままいくのかと思いきや後半はシリアスな展開になります。尊大かつナルシストな、レオの真面目で繊細な一面を聞くことに。本当は劣等感が強く、自分を卑下しているのが見えてきます。掟破りのメタ発言が飛び出し、物語は意外な展開を迎えます。6トラック「エピローグ」で終わっていればキレイに終われたのに、7トラック「導きの星」の種明かしの種明かしで衝撃を受けました。乙女系のふんわりした作風とは真逆で、知りたくなかった不都合な真実を聞くことに。男性キャラクターが聞けば聞くほどヤバいです。変態で腹黒くてストーカーとか、乙女系のキャラクターなのかと。作中にはあまり出てこなかった、レオの暗さを垣間見ることになります。現実とは無関係なはずの乙女ゲームが、現実世界と一部リンクしていることに驚きました。

 

一条ひらめさんの演技がうますぎて、翻弄されること必至です。ナルシスティックで甘く尊大なしゃべりから、絶望して叫んだりふり幅がすごかった。ヒロインは悪役令嬢となっていますが、悪役要素は低いのでヒロインに共感できないということはないかと思います。今作は容量が大きく、高音質なのも聞きどころ。「王子耳の中にいる」と思える近さがヤバいです。付録も充実していて、この価格はお得。音声作品としては設定が複雑でプレイがマニアック、男性キャラクターがヤバくて万人向けの作品ではないと思いますが、突き抜けた個性が魅力的に感じました。2019年屈指の傑作だと思います。