偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

ブラン・カッツェ~枯れた白~Jeu de poupée(CV:茶介)

R18女性向けシチュ音声サークル「アラベスク」発のDL作品。6時間に及ぶ大作で映画2~3本分の大ボリューム。初めて聞いたDL作品です。

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戦後間もなく四カ国に支配され、二十年後に独立を果たすも移民問題に苦しむ日本が舞台。日本となっていますが史実とは全く異なる設定で、実質異世界ファンタジーと思っていいです。複数の国がクーデターで崩壊し、日本に移民が流れ込み移民の暴動を日本の軍隊が抑えているのが現状。軍人であるキリシマは、二週間でフクオカ移民地区での暴動を制圧します。上官の娘で婚約者である御使いの力を持つヒロインの元に、キリシマが戻ってくるところから始まります。御使いとは治癒や浄化、人の心に干渉することが出来る能力。ヒロインは子どもの頃、御使いの力で母親を自殺に追いやった過去があり、感情をあまり見せない女性。御使いはその能力のせいで疎まれ、国の監視下に置かれるのが常ですがヒロインは別。ヒロインは軍の上層部の幹部である父を持ち、警備が厳重なお屋敷に住み使用人に囲まれ何一つ不自由ない生活を送っています。世間知らずのお嬢様で実質軟禁状態だったのが、三ヶ月前婚約したキリシマの影響で感情を見せるようになってきたところ。キリシマはヒロインに親しげに接するも目的があり、御使いの力を自分のために使わせようと犯して快楽に溺れさせる行為を繰り返している様子。二週間ぶりに再会した二人は甘く激しい夜を過ごします。


ジャンル的には女性向け調教ものかなと。本作は6時間に及ぶ大作なのですが、描かれているのはたった一日で、キリシマとヒロインが過ごした一夜のシーンが大半というのが恐ろしいです。濡れ場トラックは4本で、大抵1時間超えというエロの長さと執拗さ。CDと違って時間制限がないため、リアルタイムかと思うほどのフェードアウト無しの濃厚濡れ場が聞けます。執拗に前戯され強く長く攻めたてられる本番、会話してまた前戯、本番とボリュームがとんでもないです。DL作品ってすごい、と圧倒されました。



キリシマはヒロインを利用すべく、調教を繰り返し彼女を快楽漬けにします。言葉責め、道具を使って、隠語を連発し奉仕させたりと大量のエロ。道具を使ったり後ろの描写があるので注意が必要ですが、基本的に初心者向けに感じました。ヒロインの様子を見ながら臨機応変に対応し、ただ男性キャラクターがしたいことをしてるだけになってないのが女性向け。令嬢、お姫様と呼ばれたと思えばメス奴隷、お人形とか言われたりと落差がすごいです。一夜の出来事なのに数えきれないほどしていて、何回したのか分かりません。キリシマの持久力、復活力の高さが脅威です。ヒロインは途中何度かダウンしていましたが、この執拗さに付き合える相手がいるのかと。ヒロインのリアクションも激しく、なんだか水道の蛇口のような(汗)。


シチュ音声のヒロインにしては珍しく、キャラデザでしっかりヴィジュアルが描かれています。外見や体型の描写が細かくなされているのが新鮮。御使いの特徴で恐ろしく整った顔立ちで小柄で細身、無垢で清楚な外見と気質のヒロイン。男にとって高嶺の花で、汚したくなる存在として描かれています。性格的には恥じらいが強く健気、受け身と従来のヒロイン像に近いです。利用目的で調教しているとなっていますが執拗に攻め愛の言葉をかけ、けなして挑発したりと翻弄してくるキリシマ。騙しているつもりがヒロインに接し、抱くことを繰り返しているうちに彼も本気になり、彼女が特別な存在になっているように感じました。きつく攻められるシーンもありますが、そこに至るまでの感情が描かれていて嫌悪感はあまりなかったです。ヒロインを意のままに操っているかのようで、どこか不安を感じていてそれが執拗さの元なのかなと。類まれなる美貌と人形のような肉感のない体つきで、感情にとぼしいヒロインは、この世のものではないかのような存在。繋ぎ留めて置かないとどこかに飛んで行ってしまいそうだと、不安で何かにつけて構うのかなと。



ヒロインは大事に無菌室のような環境で育てられ、深く接した相手がいなかったようで激しい攻めに翻弄されつつも身も心もキリシマに捧げている様子。深窓の令嬢で恵まれているけど人間味に欠けるヒロインと、軍人として戦い人間らしさを失ったというキリシマは何かが抜け落ちていて、それを埋めるように強く求め惹かれ合ってるんだろうなと思いました。


長い収録時間と濡れ場演技で、経験値が高い演者さんでないと務まらない作品です。リップ音やあえぎ声はもちろん、端正な年上声で甘く優しく、時に挑発されたり堅い口調で命令されたりと声や演技が堪能出来ます。長丁場のため最後まで聞くだけで一苦労ですが、聞き直すとあの時のセリフや行動がこの展開につながるんだと発見があり楽しめました。