偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

廻ル恋は蓮華の如く 二ノ巻 憶えている彼(CV:髭内悪太)

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Milky chain発前世からの想い人と現世で再会、二人は結ばれるのかがテーマの輪廻転生ものラブストーリーで今回は第二弾。キャストは髭内悪太さん、脚本は真野ゆかりさん。髭内さんの18推デビューがMilky chainで、去年2017年花鏡でリリースされた髭内さん出演の「Love Tranquilizer」第五弾の脚本が真野さんと、縁のある組み合わせで期待してました。

髭内さん演じる前世のキャラクターは鬼の頭領である山藤。田舎の山奥に人と距離を取って仲間と暮らしていましたが、近くの村に住む武家の娘と出会い恋に落ちます。しかし鬼と人、二人は結ばれぬ運命で別れてしまいます。前世の記憶を持ったまま転生を繰り返す山藤の魂。彼女の生まれ変わりを探すも、出会えないまま今は6度目の転生。今は堂路鳴(どうじ めい)という会社員の男性で、現在31歳。
ある日鳴は出勤時の満員電車で、一人の女性と同じ車両に乗り合わせます。鳴は彼女の顔を一目見た瞬間、前世の武家の娘であることに気付き、前にも会ったことがあるかと尋ねますが彼女は心当たりがない様子。娘とようやく再会出来たものの、彼女には前世の記憶がないのでした。同日、行きつけのカフェに行くと対応した店員はなんと朝出会った彼女。彼女は学生で、最近カフェでバイトを始めたのでした。その後、しばらく間が空いて電車で再会する二人。彼女に探していたと声を掛けられます。前世のことを思い出したのかと鳴は期待しますが、そうではなく彼女は鳴が言ったことを気にしていたのでした。

出会って一ヶ月、二人はカフェや電車で顔を合わせ声を掛け合う仲に。バイト終わりのヒロインと一緒に帰ることになります。落ち着かない様子のヒロインに、鳴は自分のことが気になっているのではと遠慮がちに聞きます。紳士的に振るまってますが、ヒロインのことが気になって仕方ない様子。大人の態度で、ドラマみたいな出来事だったから特別に思ってしまうだけ、歳の差は大きい、距離を置くべきと言う鳴。対してヒロインは彼を気にかけていて、付き合いたいと思っている様子。根負けしてお試しの恋人候補として、スキンシップはキス未満で接することを提案する鳴。昨今の18推にあるまじきすこぶる真面目な対応です。歳の差を気にしているのもありつつ、前世で恋仲だったけど最後は別れてしまったことを気にして臆病になっているのか。大人だから今後を想像してしまったり、彼女に記憶がないのに憶えている鳴の期待や失望を想像してしまうからなのか。ともあれ二人は付き合い始め、プライベートでも会うようになります。

作中では現世の堂路鳴としてのヒロインとの関係、前世の鬼である山藤のシーン両方が描かれています。穏やかで思慮深い鳴に対して、野性的で雄々しい山藤の演じ分けがいいです。濡れ場は二回で、前世と現世一回ずつです。野性的で大胆な山藤と、紳士的だけど実際は執着心が強い鳴。攻め方は異なりますが、どちらもゆったりした言葉攻めで思ったほどガツガツしてない様子。ワイルドですが、大人で甘さもある髭内さんの声に合う攻め方でした。鳴は基本的にいい人なのですが、普段理性的で思慮深い分、濡れ場では執着心の強さが見られます。ヒロインの指を舐めて、今後指を見るだけで僕としたことを思い出すとか彼は相当なムッツリではと思いました。他にも自信と少し黒さを感じるセリフに、その気になれば外堀固めて裏工作して獲りに来そうだよと。

輪廻転生とファンタジーな設定ですが、超常現象が起こったりご都合主義的なところはあまり見られず、今の彼としてヒロインと恋愛する作り。恋している分臆病になったり、心にもないことを言ったりともどかしいですが、時間をかけて恋愛している様がドラマのようで、さすが真野ゆかりさん脚本。ストーリ―重視で、登場人物の感情を想像しながら聞きたい方向けです。シンプルな作りやエロに偏りがちな作品が多い中、練られた構成とセリフが絶妙でした。