偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

異世界オヤジに囲われる話(CV:指永拷人)

声優指永拷人さんが声と脚本を兼任されている同人サークルSlame発、ファンタジー世界に何故か召喚されてしまったヒロインがオヤジの剣士と旅をするDL音声。

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夜、眠りにつこうとしたヒロインは突然光に包まれ、見覚えのない洞窟の中へ。目の前にいた、変わった服装の男に話し掛けられます。男はお前が俺を守る天使なのかと尋ねますが、ヒロインは彼が何を言っているのか全く分からず。ヒロインが日本から来たと言っても男は分からないようで、ここはオーバル大陸だと話します。どうやら異世界に飛ばされてしまったらしく、目の前の男に召喚されたよう。彼はヴィルゴールと名乗り、氷の女王を討伐するため山に入ったものの歯が立たなかったと言います。友人に相談すると、守護天使を召喚するよう勧められたとのこと。召喚に必要な触媒は高価なもので、もし守護天使でなかったら働いて返してもらうと言うヴィルゴール。自分の元で命の危険と隣り合わせで働くか、娼館で働くかのどちらかだと言います。なかなかシビアな世界のようです。取り合えず一緒に行動すると言われ、ヒロインはヴィルゴールにティナと名付けられることに。

 

守護天使の情報を得るためヴィルゴールの友人、ペルシの家にヴィルゴールと行くことになったヒロイン。家に入るとペルシは殺害されており、ヴィルゴールは特に嘆く様子もなく召喚に関する資料を探し始めます。厳しい世界なのが伝わってきますが、ヴィルゴールのドライなこと。資料を読むとヒロインが守護天使であることはまちがいないようですが、それ以上の収穫はなく。守護天使の情報を集めるため、ヴィルゴールはブスハルという地区に行くと言います。その前に準備をと、ヒロインの装備を整えるヴィルゴール。どうして良くしてくれるのというヒロインの質問に、死なれては困るし持ちつ持たれつだと言い、合理的な様子。

 

ブスハルに行く道中、キャンプをする二人。食料調達のためヴィルゴールが離れた際、どこからともなく現れた野盗に襲われてしまうヒロイン。犯される寸前、戻ってきたヴィルゴールに助けられます。ここでは賊も珍しくない、何故持たせた剣で相手を殺さなかったと聞くヴィルゴール。ヒロインが元いた世界とはあまりにも異なり、魔物だけでなく人間も危険という話に身がすくむ思いです。

ブスハルに到着し、ペルシが研究をしていた魔術校に行くことに。ペルシの部屋を探すと、白い羽が見つかります。ヴィルゴールは思うことがあるようで、ヒロインを召喚した洞窟へ戻ると告げます。

 

洞窟まで戻る道中、再度キャンプをすることに。ヴィルゴールはヒロインに休むように勧め、彼女をいたわります。甘えたい時は甘えればいい、と今まで釣れなかった態度とは異なり何だか優しいヴィルゴール。キスされ、そのまま抱かれることに。ヴィルゴールに抱かれ、彼が達する前に金属音がヒロインの耳を打ちます。ヒロインが目を開けると、目の前にヴィルゴールがいて横に魔物の残骸が転がっていました。魔物は淫魔で、ヒロインは眠らされ精気を吸い取られていたと話すヴィルゴール。淫魔は対象が望む夢を見せると言われ、ヒロインは顔を赤らめます。心細さもあってか、彼に惚れてしまったようです。

 

血の付いた体を清めるため、水場に入る二人。ヴィルゴールはこの国について話します。かつてこの地は平和だったのですが、国王が隣国を攻めると相手の国は魔物を召喚し、それに対抗するためこちらも魔物を召喚したとのこと。戦争が終結しても魔物は残り、人々を魔物から守るべく魔物狩りが生まれたと言います。魔物狩りは人々から差別され、ヴィルゴールも疎まれているそう。魔術の素質があったヴィルゴールは訓練施設に入れられ、一人で生きていく力を手に入れるも、男娼のようなことまでしていたと言います。ヴィルゴールは淡々と語りますが、壮絶な過去を歩んできたのでした。


女性向け作品では少ない異世界ファンタジーが舞台の今作、想像以上に本格的な内容でした。異世界オヤジに囲われるとありますが、エロ特化ではなくちゃんと旅して目的も達成します。ヴィルゴールは素っ気なく辛辣なことも言いますが、硬派で誠実な印象。乙女系のキャラクターというより男性がイメージするいい男といった感じで、少年マンガ好きには好感触でした。低く冷淡な声が落ち着いていて心地良いです。

 

作品独自の設定は知らなくても楽しめますが、付録を見ると理解が深まります。ヴィルゴールの会話に出てきた単語にも設定があり、こんな細かいところまでとうなりました。戦闘シーンありですが、あっさりした描写でそのあたりは女性向けのベクトルかと。男性キャラクターの気質もあって、なかなかいい雰囲気にはならないものの、途中淫魔が化けた状態でのエロや薬によるエロがあったりと、リスナーを飽きさせない工夫を感じます。終盤の展開に驚きましたがあまりにも過酷な世界観のため、ハッピーエンドに至るにはこれがベターな展開なんだろうと思いました。

特典のNG音声も聞きました。ヴィルゴールを演じている声と素の指永さんの声の印象があまりにも異なり、声優さんすごいとなりました。