偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

CANDAULISM-カンダウリズム-(CV:近衛頼忠)

同人サークルLotophagosのDL作品「CANDAULISM-カンダウリズム」。遠距離恋愛中のヒロインの浮気をめぐる内容です。声は近衛頼忠さんとサブで高峰夏苗さん。

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ヒロインは飲み会の席で、かつて同じ会社の先輩だった和綺と久しぶりに再会します。ヒロインは遠距離恋愛中で、和綺は今はフリー。ヒロインの恋人恒平はエリートで仕事が忙しく、三ヶ月会っていない状態。飲むペースが早いヒロインを心配して話を聞く和綺。会わなくても心は繋がっていると言うヒロインに、無理してるんじゃないかと優しい言葉を掛けてくれます。別の店で飲み直す提案をされ、飲み会を抜け出すことに。その後、バーで飲むもののすっかり酔ってしまったヒロイン。ヒロインが目を覚ますと、和綺とホテルの部屋に。手は出していないと言う和綺。彼氏と会えなくて寂しくて泣いていた、身体が切ない、女としての自信を無くしそうとこぼしていたと言われます。その埋め合わせ俺に出来ないか、抱かれろよと誘われます。キスされそのまま抱かれることに。挑発的でオスの魅力あふれる和綺に、執拗なまでに隠語も交えて言葉と身体で攻められます。



それから、何度も逢瀬を重ねる二人。和綺の求めのみならず、罪悪感を抱えつつヒロインもそうすることを望んでいる様子。前半ひたすら和綺との濡れ場が描かれ、エロトラックの時間数なんと約70分。セックスなしのデートをしたり、二人で温泉に行ったりと順調?な様子。嫉妬や独占欲なのか、Sっ気ある言葉責めを聞かされます。好意があるようにも馬鹿にしているようにも聞こえる、挑発的なセリフの数々に本心がよく分からないまま溺れさせられます。その後久しぶりに遠距離中の彼氏・恒平と再会、デートして半年ぶりに抱かれることに。ヒロインは積極的に恒平を攻めますが、彼の下半身が反応せず本番は出来ずじまい。セックスはせず、いちゃいちゃして過ごすことに。


彼氏に会ったと和綺に告げるヒロイン。再会して裏切っているのが辛くなったことを指摘されます。ヒロインは相手につられたつもりでいたけど、実際はほとんどヒロインが望んで会っていたのでした。和綺は終わらせたいならそうしていいと言うものの、彼氏だけで満足しているのかと聞かれます。気持ちと身体が一致してないのではと。そもそもはじまってすらいない仲で、後腐れのないただの遊びと強調する和綺。ヒロインが揺れているのに畳み込んできます。


後日、ヒロインに元気がないのを気にして会いに来る和綺。ヒロインは和綺を求めているけど話を聞くだけで、抱く気はないと言います。彼氏と連絡が取れていないこと、心の寄りかかる相手が欲しい、彼氏じゃなくていいから依存したい内心を見抜かれています。以前だったらそれに付け込んでいた、奴からお前のことを奪ってやりたいと思っていたとか怪しい雲行きに。お前とは終わりにすると言われ、メモリースティックを渡されます。ここにお前が見るべきものが入っていると告げ、ごめんなと謝罪し去っていく和綺。

 

そして、ヒロインとリスナーは真実を知ることになります。途中までは先輩とのエロ無双でこちらに乗り換えるのかなと呑気に構えていたのですが、ガツンと来る真相でした。涙がちょちょぎれました。流されているように見えたヒロインに、同情心が沸いてくる情け容赦ない展開が辛いです。真摯さがあるのがせめてもの救い。エンディングが二種類あり、another engingがほんとにつらい。ヒロインほんとにええんかと思う終わり方でした。前半あれだけエロ特化していたにも関わらず、真相が明かされた後のエロはなし。エロは手段であって目的ではない作りが、18禁音声であることを超えていてうなりました。

 

ストーリー自体は目新しい内容ではないものの、女性向け作品でかつシチュエーション音声形式なのが、最高に破壊力ある描き方だと思います。考えた人天才かと。前半の濡れ場ややりとりを丹念に描き、充実しているほど真相が効いてくる流れが意地悪だなあと。真相を踏まえて聞くと態度や言葉の意味が分かってきて、パズルのピースが合わさるような感覚を味わえます。

 

主演の近衛さん、難しい役どころだったかと思いますが、前半の男の色気溢れるねちっこい濡れ場演技や、後半の感情をあらわにする迫真の演技が見事でした。お店のBGMや、がやがやした周りの音も臨場感があってリアル。非常に完成度が高いけど、内容が内容だけに安易に勧められないのがもどかしく感じられる、非常に濃厚な作品でした。