偏愛シチュエーション

18推CD、同人音声の感想ブログです。内容にふれているため自衛お願いします。

ラブユーブング2五十嵐遥真(CV:河村眞人)

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「ラブユーブング2ndシーズン穂積汪編」が発売されてちょうど一年。一周年を記念して振り返る、連続レビューも今回が最後。今回は河村眞人さん出演の第4弾。ラブユーブング2ndシーズンの4作目にしてラストとなる今作。

河村さん演じるバストローターの化身、五十嵐遥真(いがらし はるま)が今回のお相手。美しく中性的なビジュアル同様、若くゆるふわで軽やかな明るいしゃべりの青年です。ヒロインのことを「お姫様」と呼び、初対面ながら気持ちに入り込んでいきます。小さい子に話しかけるように優しく、相手に共感する接し方でヒロインに寄り添おうとします。
ヒロインは社会人で、そうとは知らずに不倫の恋をしていて、真実を知った彼女は会社を辞め、実家を出て一人暮らしをしているのでした。1作目の穂積汪(ほずみ おう)同様、すぐエロにいこうとせず傷ついたヒロインに寄り添うやり方にほだされます。
もっと遥真のことを知りたいというヒロインに、じゃあベッドに行こうと促します。彼女を細かく観察して穏やかながら積極的に攻めます。こなれているのかと思いきや、本番になるとうろたえる遥真。生前遥真は病弱で、見た目が美しいため女の子の方から言い寄られ、かりそめの恋愛はしていたものの、身体に負担がかかるセックスは未経験なのでした。神様から肉体を与えられた今は可能で、ヒロインと結ばれます。濡れ場でも品の良さを感じる高めのあえぎ声が官能的です。

 

愛し合い身も心も結ばれてしまうとチュートリアルを終え、どうするか決断することになるのですが遥真は他のラブグッズ達と違い、前進する決断をさせようとせず、別れることなくモノと人のままでずっと一緒にいようと言います。明るく優しい前半と打って変わって、不穏な空気になっていきます。
普段は早口で軽快なしゃべりですが、ゆっくり語ったり暗さを感じる重いしゃべりになったりと惹きつけられます。作中に「かわいいかわいい僕のお姫様」というセリフが何度か登場するのですが、場面によってニュアンスの違いがあることに気付きます。河村さんのリーディング能力の高さが圧巻です。
聞いていくと、何故遥真がヒロインに決断させまいとしているのか理由が分かります。ヒロインを支配しようとしていたところから一転して真剣に向き合い、低い可能性に賭けなければいけないのに明るくおどけるのが悲しく感じました。初めて強い願望を持ち、ヒロインと再会するための決断をし彼女を求めます。

 

1stシーズンから共通した精神性なのですが、ラブグッズの擬人化した男性がヒロインの元にやって来るという一見都合がいい設定のように見えて、一方的に愛されるだけを良しとせず、愛し愛され前向きにならなければいけないことを描いています。
恋愛や官能を目的とする18推作品の中で、ラブグッズを扱った作品で本当の恋愛って何と問いかける姿勢が他作品と異なっていて感服しました。結果的に単なるイチャラブ作品へのアンチテーゼになっていて、真に迫った内容にうなりました。

 

HOBiGIRLS限定特典SS「最後の一日」
ホビガールズ特典の小冊子、ペーパーではなく15ページに及ぶ少し長めの小説です。本編の7トラック目と8トラック目の間を繋ぐ、遥真とヒロインがどう過ごしていたかを描いた内容になっています。ここでも1stシーズンのキャラクター、立花颯太と元ご主人様であるヒロインが登場します。ラストで総括ということか、1stシーズンの他の3人の話題が少し出てきます。